映画のメモ帳+α

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悪い女 〜青い門〜

悪い女 〜青い門〜(1998 韓国)

「悪い女〜青い門〜」ポスター英題   Birdcage Inn   
監督   キム・ギドク   
脚本   キム・ギドク      
撮影   ソ・ジョンミン                  
音楽   イ・ムヌィ               
出演   イ・ジウン イ・ヘウン
      アン・ジェモ チョン・ヒョンギ
      ソン・ミンクス チャン・ドンジク
      イ・イノク チャン・ハンソン パン・ウンジン

邦題は明らかに『悪い男』(2001)を意識したものだろう。英語タイトルは「Birdcage Inn」鳥篭宿とでも訳すべきか。いうまでもなくこの映画『悪い女 〜青い門〜』の舞台となる”売春婦のいる民宿”のことを指す。

ソウルの売春村が撤去されたため、ジナ(イ・ジウン)は浦項(ポハン)にある旅人宿に住み込むことになる。ジナは昼は美術学校に通い、夜はお客の相手をする生活だ。民宿は父、母、ジナと同じ年のヘミ(イ・ヘウン)、高校生の息子(アン・ジェモ)の4人家族が経営している。ひとつ屋根の下、売春婦が住み込むとどうなるか?なんといってもキム・ギドク作品である。結果は予想どおりです(笑)。

ヘミはジナを軽蔑し、自分の恋人ジノに対しても「結婚するまではだめ」と体を許さない。
ジノはヘミの家に行きたがるが、ヘミは自分の家を恥ずかしがり断ってばかり。
やがてジノは性欲をみたすため、旅人宿に訪れることになる...。

高校生の息子は写真コンテストに応募するためという口実で彼女にヌードになってもらうよう頼み込む。また出所したばかりの兄は、ジナのもとに現れ彼女を利用しようとする。
ジナのもとには男の欲望ばかりが集まってくる。

虫一匹殺せないような顔をしたジナ。確実に女性からは嫌われるタイプである。
そんな女への憎悪を代表するかのようにヘミはジナに冷たく当たる。それでもジナとヘミ、お互いの存在が機になって仕方がない。自分の失った半分を相手に見いだそうとしているかのようだ。
2人がお互いをストーカーしあうような場面が出てくるが、そのストーカー行為によって相手に自分との共通点を見出す。女子大生と売春婦...立場はまったく違っても、空いた時間の使い方は変わらない。本屋に立ち寄ったり、ヘアピンを買ってみたり…。眼の前にいる目ざわりなヤツは、自分と同じただの女だったのだ。

極端な設定のもとに、人間の醜悪な部分を暴き出すかのような展開は初期ギドク作品の大きな特徴である。この映画でも海、盗聴、肖像絵などのギドク作品おなじみの小道具を使って登場人物をことごとくジナにからませるが、物語展開はかなりオーソドックスでめずらしくハッピーエンドである。とはいってもギドク作品をたどって言った場合『うつせみ』(2004)ほどは洗練されていないところが興味深い。『うつせみ』はおとぎ話のような余韻を残す作品だが、この『悪い女 〜青い門〜』にはやや黒い余韻が残る。ラスト、ジナとヘミが2人で寄り添っているがこの友好関係がずっと続くのか,?ジナはずっとあの民宿で働き続けることができるのか?ふと物語の続きを想像するとあまり幸福な展開は予想できない。ラスト場面はほんの一握りの幸せといったイメージだ。
でも、人はそんな”一握りの幸せ”を味わうために生き続けているのかもしれない。
ギドク映画には珍しく、"ひとかけらの救い"を感じることができる作品である。
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悪い女@映画生活

2008.05.15 Thursday | 01:29 | キム・ギドク | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.10.20 Friday | 01:29 | - | - | - |

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