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絶対の愛

絶対の愛 (2006 韓国・日本)

「絶対の愛」映画チラシ英題   TIME   
監督   キム・ギドク   
脚本   キム・ギドク      
撮影   ソン・ジョンム                     
音楽   ノ・ヒョンウ               
出演   ソン・ヒョナ ハ・ジョンウ
      パク・チヨン 杉野希妃   

韓国では10人にひとりは整形をしているとか、25〜29歳女性の6割が整形手術を受けている、という話を聞いたことがある。美容整形はタブーではなく美しくなるための手段として、ある程度の市民権を得ているのは確かなようだ。そんな韓国の整形事情を背景に描いたラブ・ストーリーがキム・ギドク監督13作目となる『絶対の愛』である。

セヒ(パク・チヨン)は恋人ジウ(ハ・ジョンウ)が自分の顔に飽きてしまうことを恐れていた。セヒは整形を決意してジウの前から姿を消す。セヒを探し回るジウの前にスェヒ(ソン・ヒョナ)という女性が現れる。ジウはしだいにスェヒに魅かれていく。

前半はこれがギドク作品?と思うほど台詞が多く、まるでトレンディ・ドラマのような雰囲気。ギドク作品に特有の眼力の強い役者が出てこない。整形前の人たちという設定だから無理もないが...。
後半は、もはや誰が誰だかわからなくなる、という展開になり、ギドク・ワールド全開!...というより半開くらいか。はじめてギドク作品を見る人ならばこれくらいで丁度いいかもしれないが、過去の作品のファンは少し物足りない?

ところで整形を施してから、顔の腫れがひくのに半年くらいかかるという描写が気になった。
韓国の人たちはみんなその間、サングラスやマスクなどで顔を隠しているのだろうか?
名前を変えたりするのだろうか?
半年間、どうやって社会生活を営むのだろう?
映画のストーリーよりも実はその部分に興味があり、そこをじっくり見せてほしかった気もする。
これは極端な設定であり、ギドク映画特有の幻想なのだろうか?
ラスト、ジウに似た人が次々と現れる。ここはスェヒの幻想かもしれない。

顔が美しくなれば、自信をもち性格が明るくなったりするのだろうか?それとも”整形した”という劣等感、本当の自分の顔でないという負い目にさいなまれて続けるのだろうか?韓国では”美容院に行く感覚”で整形を何度も繰り返しおこなう、いわば整形中毒になる人も多いらしい。その辺りの事情はラストに反映されている。キム・ギドクは『絶対の愛』について「あくまでも私は愛を描きたいと思っている。その手段として整形を題材にしたにすぎない。顔が変わったら愛も変わるのだろうか?愛というものは永遠なのか?という問いかけをしたかった。この作品は整形に対するアンチテーゼでも擁護でもない」と語っている。せっかく誰もが関心のある?テーマを選んだのだから、ラブ・ストーリーのためのネタではなく整形行為が自己のアイデンティティにもたらす心理的影響をもっと掘り下げてほしかった。でも誰もが整形に走るようになったら、この映画のように誰が誰だかわからなくなる悪夢が展開されるんでしょうね。ギドクらしいひねりはあまりないが、現代劇でありながら近未来的な雰囲気を醸し出したラストが印象に残る作品だ。
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絶対の愛@映画生活


2008.05.09 Friday | 00:05 | キム・ギドク | comments(0) | trackbacks(2) |

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2018.11.21 Wednesday | 00:05 | - | - | - |

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映画『絶対の愛』
原題:Time 韓国での美容整形手術をテーマにした映画と言えば全身整形の「カンナさん大成功です!」、「絶対の愛」では顔だけながら、理解を超えた深すぎる愛の形・・ セヒ(パク・チヨン)とジウ(ハ・ジョンウ)は幸せな恋人同士ながら、付き合いはじめて2
(茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり〜 2008/05/14 1:20 AM)
『絶対の愛』'06・韓
あらすじ交際を始めて2年になる男性ジウを深く愛しながらも彼に飽きられてしまうのではないかと不安に思っているセヒ。彼女は顔を整形する事を決意、突如ジウの前から姿を消す。セヒを忘れられず苦悩していたジウは、何人かの女性と肉体関係を持とうとするが、その都度
(虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ 2008/09/14 7:34 PM)

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