映画のメモ帳+α

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ハード・キャンディー/ マドンナ

評価:
マドンナ,ジャスティン・ティンバーレイク,カニエ・ウェスト,ティンバランド
Amazonおすすめ度:

"コンフェッションズ・ツアー"を見たとき、マドンナの次回作はロック色が強いものになるだろうと勝手に予想していました。レニー・クラヴィッツとの再コラボのニュースも聞いたような気がする。ところがフタをあけてみれば、ファレル・ウィリアムスティンバランドらの売れっ子プロデューサーと組み、R&B/ヒップポップ色の強い仕上がりになりジャスティン・ティンバーレイクも複数の曲で参加しているという。
...はあ?マドンナが流行ものの後塵を拝すなんて!そこまでしてアメリカで売れたいのか!
マドンナといえばこれまでは無名のプロデューサーを発掘するというイメージが強かった。今まで有名プロデューサーと組んだのはナイル・ロジャースくらいだろう。女王としたことがすでに売れっ子となっているプロデューサーと組んで確実にヒットを狙うなんて。ファースト・シングルとなった"4 minutes"は1回聞いただけで耳に残るキャッチーな曲ですが、3回聞くと飽き始め、5回聞くとジャンティンの声がうざく感じてきた。正直いうとマドンナのニュー・アルバムにこんなに不安を覚えたのははじめてかもしれない。前置きはこれくらいにして作品の内容に踏み込むことにします。



それにしてもこのジャケット、かなり評判悪いみたいです。
タイトルの『ハード・キャンディ』とはマドンナがキャンディが好きなことからつけられたそうですが。初期のころを思わせる衣装でそんなこといわれてもねえ。マドンナいわく「わたしがあなたを痛めつけてあげるわ。でもあなたはそれを気持ちいいと感じるはず」という意味合いだそうです。やっぱりそんな世界か(笑)でも実際の曲は"ダンスしましょう"みたいな軽い歌詞が大半でした。

タイトル・チューン?"candy store"からこのアルバムははじまります。
「私はあなたのキャンディ・ショップ。あるものすべてをささげたいの。おかわり自由よ」だって。まあ(笑)日本の金太郎飴みたいな感覚でしょうか?どこを切ってもマドンナが出てくる!恐ろしや。ちなみにマドンナは自分の子供にはキャンディを食べるのを禁止しているとか。それで自分はこんな歌を歌う。何て母親なんでしょう。(笑)

3曲目の"give it 2 me"は2ndシングル。マドンナいわく「ライヴにピッタリの曲。会場に集った観客全員が一斉に飛び跳ねる姿が目に浮かぶわ。」だそうです。そりゃマドンナ様がステージ上で「跳ンデ!」って脅迫してきますからね(笑)

GIVE IT 2 ME MADONNA



5曲目の"Miles Away"。遠距離恋愛を歌った歌で日本の某テレビドラマの主題歌にも使われることが決定している。今からイヤでも何回も耳にすることでしょう。バラードというよりはかなりポップな曲でドラマの主題歌としてはどうかな。まあ、マドンナの新曲を使ったってだけでいいんでしょうね。ちなみにこの曲、このアルバムの中では1、2位を争う良曲です。ラテン風味の味付けは"ラ・イスラ・ボニータ"を彷彿させますね〜。

Miles Away(iTunes)
Madonna - Hard Candy (Deluxe Version) - Miles Away

6曲目の"She's Not Me"。マドンナいわく「この上なくヒドい状態で捨てられた恋人の話を作り上げたの。究極の失恋の歌よ」とのことだが、耳につくのは"She's Not Me"のフレーズばかり。あまりにくどいので、このSheとは最近の若手女性シンガー全般で”いくら私の真似をしてもあなたは私ではない。私みたいにはなれないのよ”と言いたげに聞こえるのは自分だけでしょうか?

7曲めの"Incredible"はこのアルバムの中で一番派手なポップチューン。続く8曲めの"Beat Goes On"と合わせて中盤に盛り上げ曲をもってくるというのも結構珍しいパターンの構成かも。
ところで"Beat Goes On"、最初ソニー&シェールのカバーかと思いました。でもマドンナがシェールのカバーなんかするわけないよな(笑)。この曲はマーヴィン・ゲイへのオマージュだそうです。この曲で過去のアーティストたちとチャネリングしたらしいです。??? 意味不明。この曲からそんなものは感じられません。どちらにしろ凡人には理解できない感覚であります。(笑)

マドンナのボーカルは、ミュージカル映画『エビータ』(1996)出演のため、ボイストレーニングを積み、かつ出産を経験してからかなりマイルドになった感があります。前作でもその傾向は変わらなかったのですが、今回はちょっと違いますね。"Incredible"や"Beat Goes On"では初期のボーカルスタイル、つまり筋肉だけで歌っているような、ベターとした歌唱法が復活してきています。"Incredible"は途中で曲調が変わる、いわば"私(=マドンナ)が好きなタイプの曲"だそうですが、やたら長く感じる。6分15秒くらいあるんですが10分くらいに感じます。"Beat Goes On"にも同じ傾向にあり、カニエ・ウェストのMCはないほうがいいような気がしなくもない。でもこれがないとこの曲はやや単調かな。マドンナの声はドスを効かせた"Hey!"という掛け声のみが印象に残ります(笑)。結果的に"Beat Goes On"が個人的には一番好きかも、デス。

10曲めの"spanish lesson"は一番ウケのよくない曲みたいですね〜。
ファレル先生が私にいろいろと新しいリズムを教えてくれることから、とlessonの曲を作ったたしいです。マドンナ様は"私の知っているスペイン語を全部使ったわ"と威張っておりますが...。何ともアホくさい歌詞でまじめに聞いているとIQが30くらい低下しそう(爆)ボルチモアで流行しているという新しいビート(ファレルいわくBモア・ビート)を採用している曲。"The Percolator(パーコレーター)"という曲をバックにしたダンス映像をYouTubeで見て、この曲を作っていったとか。マドンナ自身、"あまりに変な曲"であまり好きじゃない時期もあったそうだけどまた好きになったそうでございます。マドンナのボーカルも間延び気味なので、歌は聴かずリズムだけを楽しむべき曲かもしれません。(笑)

 ファレル・ウィリアムスはレコーディング中、何とマドンナを泣かせてしまったらしい。
ファレルいわく「彼女がどうしようもないことばかり言い続けるから、俺は怒鳴り返してやったんだ。そしたら、泣き始めちまった」マドンナいわく「歌ってて、彼がどういうリズムで歌って欲しいのかわからなかったの。彼、辛く当たってきたわ。その言い方に驚いて(中略)“私にそういう話し方しないで!”って言ったとこで、涙が出ちゃったのよ。そしたら彼、"えっ、マドンナにも心があるんだ!"なんて言うから、もっと泣いちゃったのよ」マドンナは赤ん坊のように泣いていたとか。ファレルは"マドンナを泣かせた男"として当分のあいだ音楽界に君臨できそうです(爆)マドンナはガイ・リッチーにも「私は人前では常に正しいの。私に反論するならふたりきりのときにして」と言い放ったらしいことがあるたしい。女王のイメージをキープするのも大変ですね〜。でもこの泣いちゃった話、ファレルは公表するつもりがなくマドンナが勝手に話してしまったらしい。"弱い女"の一面もアピールしなければ、と思っているのかしらん(笑) 参照


ラストの"Voices"は、”Who is the master? Who is the slave?”( 御主人様は誰で、奴隷は誰なの?)というフレーズが印象に残る曲。そんな歌詞を耳にしながらこのアルバムのジャケットを見るとムチをもったマドンナ女王様と首に鎖をつながれた奴隷の男なんてイメージが沸いてきますが(爆)。このフレーズはマドンナいわくエゴを意味するらしく"エゴが自分をコントロールしているのか?それとも自分がエゴの奴隷になっているのか?という意味で、性的な意味ではないわ”とのこと。そう言われてもねえ...。ジャスティン・ティンバーレークと2人でともに知っている人物(複数)をイメージして作り上げた詩だそうです。「その人達って自分の虚像をだまして信じ込ませようとするんだけど、彼らの本当の姿は違う。エゴにすべての行動をコントロールされてしまっているのよ」とのことですが。自分たちのことを棚にあげてよくもまあ。ジャスティンとマドンナがともに知っている人物というとブリトニー・スピアーズあたりが思い浮かぶのですが、これはブリトニーのことではないような気がする。最近のブリちゃんの奇行はエゴ以前の問題(笑)。誰のことでしょうね。『I'M GOING TO TELL YOU A SECRET』でもマドンナは「私の最大の問題はエゴ」といっていたしやっぱり自分のことじゃないかと思うんですけど。

アルバム全体としては前作『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』の流れをくむダンスミュージックなのですが、1曲1曲のもつインパクトはこの作品のほうがはるかに強い。ボーカルも全体的に力が抜けすぎていた前作よりはるかにバリエーションに富んでいる。(ボーナストラックをのぞいて)全12曲中、ファレル・ウィリアムスが7曲、ティンバランドが5曲プロデュースしているのですが、ファレルとの作品のほうが面白い曲が多い。ティンバランド作品は手堅くまとめました、というイメージ。自分はヒップポップ事情にはとことん疎いので、最近のハヤリモノってこんなものなのか、って感じでとても勉強になりました(笑)。でも、マドンナのアルバムにある、どこか尖った感じ、実験しすぎてちょっと足を踏み外しちゃったみたいなところがないのが寂しい。作品のクオリティはいつもながら非常に高いのですが、マドンナのキャリア全体からみると特筆する要素はなく、何年かたてばあっさり素通りされそうな作品です。
売れ線を狙って手堅くまとめたマドンナなんてつまらない。
彼女はマドンナなのである。流行にのるのではなく、流行をつくってほしい。
そういう意味では物足りなさを感じる作品でした。

 参考 
ファレル・ウィリアムスと作った曲
"Candy Shop"、"Give It 2 Me"、"Heartbeat" 、"She's Not Me"、"Incredible" 、"Beat Goes On"、"Spanish Lesson" 、"Ring My Bell" (日本版ボーナストラック)
ティンバーランド、ジャスティンらと作った曲
"4 Minutes"、"Miles Away"、"Dance 2night"、"Devil Wouldn't Recognize You"、"Voices"


と書いてから1ヶ月半、実はこのアルバム、ヘビー・ローテーションで聞いております。確かに新鮮味はないけどここ数年のマドンナのアルバムの中ではもっとも聞きやすいんですよね〜。コンサート・プロモーション会社のLive nataionと10年契約を結んだマドンナ。長年在籍したワーナー最後の作品ゆえ"売ること"に専念したと解釈すれば手堅くまとめた、ということもあまり気にならなくなってきました。マドンナにも"恩義の心"はあるんでしょう。(爆)

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ハード・キャンディ(iTunes)
Madonna - Hard Candy (Deluxe Version)


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2017.05.24 Wednesday | 01:22 | - | - | - |

コメント

ハードキャンディはかなりマドンナオリジナルのR&Bヒップホップの消化をしてるかなとおもいますよ。ティンバ・ジャスティンの曲は「まんま」な感じですが、ファレルとの共作は、ファレル風味があったとしても、ファレルだけでは絶対つくらないマド印のしっかり焼きついたよいコラボになっていたとおもいます。
2012/02/02 7:40 PM by ひろ
ひろさん、はじめまして
超遅レス失礼。

>ファレルだけでは絶対つくらないマド印のしっかり焼きついたよいコラボになっていたとおもいます。

うーむ、記事にも書いた通り、自分はファレルの音楽を知らないのでこのあたりは答えようがないのですが...。
ただ、マドンナのアルバムは全部聞いています。「ハード・キャンディー」はマドンナっぽさを個人的には感じませんでした。
2012/02/12 12:02 AM by moviepad
初めて、このサイトみたんだけど、厳しい評価もあって、面白い!!!!!!!

She's Not Me、あなたの言う通り、若手のアーティストに向けての曲なのかもですね。
去年、マドンナがBorn This WayとExpress YourselfとShe' Not Meを合わせて歌ってたんで、、、
やっぱ、失恋の曲じゃなかったのか、、、って思いました。
2013/08/29 7:20 AM by りり
りりさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

>去年、マドンナがBorn This WayとExpress Yourselfと

ここまでは知っていましたが

>She' Not Meを合わせて歌ってたんで、、、

これは知りませんでした。露骨〜。
まあ、マドンナが字面どおりの失恋ソングを歌うとは考えにくいですからね。

マドンナは当初、ガガに好意的だったような気がするのですが、何か虫の好かないことでもあったんでしょうね?
2013/08/29 7:48 PM by moviepad

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ハード・キャンディ / マドンナ
 出来れば買ったアルバムはすべて記事にしなければ、と考えているぷくちゃんです。し
(eclipse的な独り言 2008/05/06 8:02 AM)

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