映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※コメントは承認制とさせていただいております

<< パラサイト 半地下の家族 | TOP | ジョジョ・ラビット >>

第92回(2019年)アカデミー賞

第92回(2019年)アカデミー賞

 本記事は受賞式が終わるまで随時更新・編集されます。

第92回(2019年)アカデミー賞、ノミネートが発表されました。
本年度は受賞式も2/9で例年より2週間程度早めです。昨年度に引き続き、司会者なしで行われる予定。

複数部門ノミネート作。

11部門 「ジョーカー」、
10部門 「1917 命をかけた伝令」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
9部門10ノミネート 「アイリッシュマン」
6部門 「ジョジョ・ラビット」、「マリッジ・ストーリー」、 「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」、「パラサイト 半地下の家族」
4部門 「フォードvsフェラーリ」
3部門 「2人のローマ教皇」、「スキャンダル」「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
2部門 「Pain and Glory」、「ハリエット」、「ジュディ 虹の彼方に」、「トイ・ストーリー4」、「Honeyland」



 サプライズはあるといえばあるんだけどインパクトが弱い。予想範囲内のサプライズというか...(そーいうのはサプライズとは言わないんですか、はい、そうですね)まず、過去にマドンナ主演ミュージカル『エビータ』(1996)で共演しているアントニオ・バンデラスジョナサン・プライスがそろって初ノミネート。2人とも下馬評では当落線上、やや厳しいかとみられていたがベテランの底力を見せました。バンデラスのほうは未見なので何ともいえないが、現職のローマ法王を演じたジョナサン・プライスはすごくよかった。受賞してもおかしくないけど、まともな役よりキ×ガイが評価されるのがアカデミー賞。受賞はホアキンか。

 スカーレット・ヨハンソンが主演・助演でWノミネート。もともと彼女は2003年の『真珠の耳飾りの少女』『ロスト・イン・トランスレーション』で演技力が認められてブレイク。その後、ウディ・アレンのミューズ?になったり、マーベル映画に出たり...もう少し作品を選んでいれば今頃初ノミネートなんてことはなかったはず。アレン爺さんにもよく説教されていたらしいですけどね。そのアレン爺さん今いずこ?

 候補入りが有力視されながら落選。とくに目立つのは主演女優賞で前哨戦トップの実績をほこりながら落選したルピタ・ニョンゴ。でもこれ何となく予想できたんですね。

・本年は黒人女優としてシンシア・エリヴォ(トニー賞受賞の実力派。今回候補入りデス)、過去にノミネート経験のあるベテランのアルフレ・ウッダード(Clemency)も下馬評にのぼっており票割れの危険があった。ルピタ・ニョンゴはほとんどキャリアがない状態のとき既に受賞済み。やっかみもある?
・出演作『アス』は『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督のホラー映画。興行的にも成功している。だが、昨年度の『ヘレディタリー/継承』のトニ・コレットの例をみるまでもなく、ホラー映画でどんなにいい演技をして批評家賞を受賞してもオスカーにはからみにくい...。
・『スター・ウォーズ〜』のマズ・カナタ役、何あれ?

もうひとりは助演女優賞で候補入りが有力視されていたジェニファー・ロペス。ストリッパーの元締めのような役?予告編で見る限り、地でやってるとしか....。彼女がハリウッドで人徳があるとはとても思えず、英国アカデミー賞でも候補もれしていたことから、"あ、やっぱりね"って感じ。
ただし全米俳優組合賞、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞などの有力賞に候補入りしていたし、本年度助演女優賞は不作ゆえかろうじて割り込めるんじゃないかと思っておりましたが...。

主演男優に目を向けると有力視されながら落選した人たちはロバート・デ・ニーロ(アイリッシュマン)、タロン・エガートン(ロケットマン)、エディ・マーフィ(ルディ・レイ・ムーア)、アダム・サンドラー(アンカット・ダイヤモンド)あたり。デ・ニーロは役柄のインパクトが弱かった?タロン・エガートンは去年、似たような役の人が受賞したばかりだしね。エディ・マーフィとアダム・サンドラーについてはコメディ俳優への偏見?エディ・マーフィは候補入りしてほしかった。あの役は彼以外できないよ!まあ、マーフィは『ドリームガールズ』(2006)で受賞有力視されながら落選、ショックのため受賞式途中で帰ってしまったこと、一度は授賞式司会に決まりながら辞退したなどの過去が嫌われた?ちなみに『ドリームガールズ』での落選は彼に深刻な打撃を与えたらしく、その後あまり映画に出演しなくなってしまった。『ドリームガールズ』よりも今回の『ルディ・レイ・ムーア』のほうが演技も良いし作品も面白いですけどね。助演男優賞では『The Lighthouse』のウィレム・デフォーの落選が残念。彼が候補入りしていれば3年連続となって助演男優賞の予想が面白くなったのに...。

監督賞と助演男優賞の顔ぶれがゴールデン・グローブ賞と完全一致。最近ではかなり珍しい。

ちなみにシンシア・エリヴォ以外の演技賞候補者が皆、白人。ルピタ・ニョンゴ、エディ・マーフィをはじめアルフレ・ウッダード(Clemency)、オークワフィナ(『フェアウェル』)、ソン・ガンホ(『パラサイト 半地下の家族』)らの有力候補者がそろって漏れ。ジェニファー・ロペスもプエルトリコ系アメリカ人。有力とみなされた落選者の大部分が非白人だったことから"白すぎるオスカー"問題の再燃が懸念されている。目立つ存在であるエディ・マーフィと(受賞するとは思えない)レオナルド・ディカプリオを入れ替えるだけでも印象が変わってくるのにね。(受賞させる気ないのにノミネートしすぎシアーシャ・ローナンをオークワフィナに、いつもと同じ演技だったアル・パチーノをソン・ガンホに...)あと、『アナと雪の女王2』の長編アニメ賞候補漏れにびっくり!ディズニーは『トイ・ストーリー4』があるからいいでしょ、てことか。それとも神田沙也加の××が響いた?<関係ないって。

 スティーヴン・キングが「クオリティのみで評価すべき。芸術に多様性を考慮する必要はない」とツイートして、早速炎上中!Stephen King@StephenKing
正論ではありますが、クオリティで判断する際、人種的偏見が判断に影響していないかを見極めるのは困難。かといって女性や非白人がいないのはおかしいと決めつけるのも少し変(多様性を反映させるために女性(監督賞など)や非白人を必ず候補に入れよ、枠を確保せよといわんばかりのニュアンスで語っている人もいますので)。たぶんこの議論は永久に平行線をたどると思います。"クオリティのみで判断した。多様性に欠けるのはあくまで結果にすぎない"という論をどこまで真に受けることができるか?そもそも白人男性以外にはチャンスが絶対的に少ないという問題もからんできますし。


 メイクアップ&ヘアスタイリング賞でカズ・ヒロ(旧辻一弘)さんが4度目の候補入り。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)で受賞したばかりですが、今回もシャーリーズ・セロンを別人に化けさせ、受賞本命です。でも今回は持ち上げられないかも。前回の日本マスコミのフィーバーで嫌気がさした?カズ・ヒロ氏、またもやオスカー候補入り。国籍と名前を変えた心境を聞く

 ドキュメンタリー映画『Honeyland』が長編ドキュメンタリー映画のほか、国際長編映画賞(本年より外国語映画賞から改題)にも北マケドニアからノミネート。こんなの前例あり?

 それにしてもNetflixは大躍進。作品賞候補にも2本候補入りしたが、それ以上にすごいのは5枠である長編アニメ賞(『失くした体』『クロース』、長編ドキュメンタリー映画賞(『アメリカン・ファクトリー』『ブラジル 消えゆく民主主義』)に2本づつ送り込んだこと。特に『ブラジル 消えゆく民主主義』は前哨戦でほぼ無視されていたにもかかわらず、本命だった『アポロ11 完全版』を蹴落として?候補入り。(何気にこれが一番のサプライズかも)『ブラジル〜』は政治色の強すぎる内容ゆえ受賞は厳しいと思われるが、本作の候補入りはNetflixの底力か、それともリベラルが多いハリウッド、現トランプ政権への危惧が本作に肩入れさせたのか?

今年は有力作の多くが事前に見ることができるのでうれしい。『フォードvsフェラーリ』と『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』は気が進まないので、作品賞候補作にもかかわらず劇場で見る予定なし。受賞しないよね?『1917 命をかけた伝令』が授賞式前に見ることができればよかったんだけど...日本公開は2月14日か。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は有力作のひとつだけど、作品賞の行方を占うにあたって最重要部門のひとつ編集賞で候補漏れ。そうでしょうね、あの映画無駄に長くて...。少し時間をおいて受賞予想をアップ予定。
人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!

第92回(2019年)アカデミー賞ノミネート一覧

※ ★マークは受賞作品。リンクは当サイト記事もしくはamazon

作品賞
   「フォードvsフェラーリ」
   「アイリッシュマン
   「ジョジョ・ラビット
   「ジョーカー
   「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
   「1917 命をかけた伝令」
   「マリッジ・ストーリー
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
   「パラサイト 半地下の家族

主演男優賞
   アントニオ・バンデラス  「Pain and Glory」
   レオナルド・ディカプリオ  「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   アダム・ドライヴァー  「マリッジ・ストーリー」
   ホアキン・フェニックス  「ジョーカー」
   ジョナサン・プライス 「2人のローマ教皇

主演女優賞
   シンシア・エリヴォ 「ハリエット」
   スカーレット・ヨハンソン  「マリッジ・ストーリー」
   シアーシャ・ローナン  「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
   シャーリズ・セロン  「スキャンダル」
   レニー・ゼルウィガー  「ジュディ 虹の彼方に」

助演男優賞
   トム・ハンクス  「A Beautiful Day in the Neighborhood」
   アンソニー・ホプキンス 「2人のローマ教皇」
   アル・パチーノ  「アイリッシュマン」
   ジョー・ペシ  「アイリッシュマン」
   ブラッド・ピット  「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

助演女優賞
   キャシー・ベイツ  「リチャード・ジュエル」
   ローラ・ダーン  「マリッジ・ストーリー」
   スカーレット・ヨハンソン  「ジョジョ・ラビット」
   フローレンス・ピュー  「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
   マーゴット・ロビー  「スキャンダル」

監督賞
   マーティン・スコセッシ  「アイリッシュマン」
   トッド・フィリップス 「ジョーカー」
   サム・メンデス  「1917 命をかけた伝令」
   クエンティン・タランティーノ  「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   ポン・ジュノ  「パラサイト 半地下の家族」

オリジナル脚本賞
   「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」
   「マリッジ・ストーリー」
   「1917 命をかけた伝令」
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   「パラサイト 半地下の家族」

脚色賞
   「アイリッシュマン」
   「ジョジョ・ラビット」
   「ジョーカー」
   「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
   「2人のローマ教皇」

撮影賞
   「アイリッシュマン」
   「ジョーカー」
   「The Lighthouse」
   「1917 命をかけた伝令」
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

美術賞
   「アイリッシュマン」
   「ジョジョ・ラビット」
   「1917 命をかけた伝令」
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   「パラサイト 半地下の家族」

音響賞(録音賞)
   「アド・アストラ」
   「フォードvsフェラーリ」
   「ジョーカー」
   「1917 命をかけた伝令」
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

編集賞
   「フォードvsフェラーリ」
   「アイリッシュマン」
   「ジョジョ・ラビット」
   「ジョーカー」
   「パラサイト 半地下の家族」

作曲賞
   「ジョーカー」
   「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
   「マリッジ・ストーリー」
   「1917 命をかけた伝令」
   「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

歌曲賞
   "I Can't Let You Throw Yourself Away" (トイ・ストーリー4)
   "(I'm Gonna) Love Me Again" (ロケットマン
   "I'm Standing With You" (Breakthrough)
   "Into the Unknown" (アナと雪の女王2
   "Stand Up" (ハリエット)

衣装デザイン賞
   「アイリッシュマン」
   「ジョジョ・ラビット」
   「ジョーカー」
   「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

メイクアップ&ヘアスタイリング賞
   「スキャンダル」
   「ジョーカー」
   「ジュディ 虹の彼方に」
   「マレフィセント2」
   「1917 命をかけた伝令」

視覚効果賞
   「アベンジャーズ エンドゲーム」
   「アイリッシュマン」
   「ライオン・キング」
   「1917 命をかけた伝令」
   「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

音響編集賞
   「フォードvsフェラーリ」
   「ジョーカー」
   「1917 命をかけた伝令」
   「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

短編賞
<アニメ>
   「Dcera (Daughter)」
   「Hair Love」
   「Kitbull」
   「Memorable」
   「Sister」

<実写>
   「Brotherhood」
   「Nefta Football Club」
   「The Neighbors' Window」
   「Saria」
   「A Sister」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
   「In the Absence」
   「Learning to Skateboard in a Warzone (If You're a Girl)」
   「Life Overtakes Me」
   「St. Louis Superman」
   「Walk Run Cha-Cha」

<長編>
   「アメリカン・ファクトリー」
   「The Cave」
   「ブラジル 消えゆく民主主義」
   「娘は戦場で生まれた」
   「Honeyland」

国際長編映画賞
   「Corpus Christi」 (ポーランド)
   「Honeyland」 (北マケドニア)
   「レ・ミゼラブル」 (フランス)
   「Pain and Glory」 (スペイン)
   「パラサイト 半地下の家族」 (韓国)

長編アニメ賞
   「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」
   「失くした体
   「クロース
   「Missing Link」
   「トイ・ストーリー4」

名誉賞
  デビッド・リンチ
  ウェス・ステューディ
  リナ・ウェルトミューラー

David Lynch receives an Honorary Award at the 2019 Governors Awards
Wes Studi receives an Honorary Award at the 2019 Governors Awards
Lina Wertmuller receives an Honorary Award at the 2019 Governors Awards
2020.01.13 Monday | 22:28 | アカデミー賞の軌跡 | comments(2) | - |

スポンサーサイト


2020.01.20 Monday | 22:28 | - | - | - |

コメント

こんにちは。アカデミー賞の季節ですね。
映画館にはあまり行くことが出来ません(スター・ウォーズすら観ていない(涙))。
体調が良くないので、長時間の映画は難しいのです(最近の映画、長くないですか?)
こちらに楽しくおじゃまさせていただいて映画を観た気分を味わっております。

久しぶりの映画鑑賞なので、いきなり「パラサイト」を観る勇気はなく、(途中リタイヤ覚悟で)リチャード・ジュエルを観てきました。
ずいぶん古めかしい映画だなと感じました。女性の描かれ方も含めて。

これからも、更新を楽しみにしております。
2020/01/17 5:01 PM by パール
パールさん、お久しぶりです!

>スター・ウォーズすら観ていない(涙)
SWの最新作は××。DVDで十分です。

>体調が良くないので、長時間の映画は難しいのです(最近の映画、長くないですか?)

そういうことではないかとひそかに心配しておりました。お大事になさってください。

本当に最近の映画は無駄に長すぎてうんざり。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」なんて
物語はシンプルなのに2時間40分。
タランティーノは基本的に好きなんですが、
今回は全く好みに合わず地獄のような時間でした。

>リチャード・ジュエルを観てきました。
ずいぶん古めかしい映画だなと感じました。女性の描かれ方も含めて。

「リチャード・ジョエル」はそのような指摘が多いですね。
女性記者がFBI職員に"枕営業"をしようとする場面は事実と異なるとクレームがつき、
アメリカでは炎上中のようです。
題材的には興味深いですし、キャシー・ベイツの演技が見たいので
もしかしたら鑑賞するかも。

今年は作品賞の予想がやや難しいです。
「パラサイト 半地下の家族」
(退屈している暇はありません。体調の良いときにぜひ!)
がふさわしいと個人的には思いますが無理かな。
外国語映画が作品賞をとったことは過去ないし。

自分も最近はあまり映画館に行かなくなりました。
体調がすぐれないのであれば無理に映画館へいかなくてもストリーミングサービスもありますからね。
netflix(最初の1か月は無料。期間内に解約もできる)は便利ですよ。
当サイトで紹介した 「マリッジ・ストーリー」「2人のローマ教皇」「ルディ・レイ・ムーア」はおすすめ。
「アイリッシュマン」もちろん良かったけど3時間29分(^^;
2020/01/17 7:53 PM by moviepad

コメントする









▲top