映画のメモ帳+α

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第三の男

第三の男 (1949 イギリス)

第三の男(1949)原題   THE THIRD MAN
監督   キャロル・リード
原作   グレアム・グリーン
脚本   グレアム・グリーン
撮影   ロバート・クラスカー
音楽   アントン・カラス
出演   ジョセフ・コットン オーソン・ウェルズ アリダ・ヴァリ
     トレヴァー・ハワード バーナード・リー
     ジェフリー・キーン エルンスト・ドイッチュ

第23回(1950年)アカデミー賞撮影賞(白黒)受賞。監督、編集賞ノミネート。第3回(1949年)カンヌ国際映画祭グランプリ



アメリカの西部劇作家ホリーは、旧友ハリー・ライムの招きでウイーンにやってくる。だが、ハリーは自動車事故でなくなっていた。ホリーはハリーの死の真相に疑問を抱き、ハリーの事故現場に素性の知れぬ第三の男がいたことをつきとめる。冒頭と最後の葬式の対比、アントン・カラスのチターの音色、光と影が醸し出す映像、登場人物はハリーの話ばかりしているのに、当人が登場するのは1時間後、このスター様お出まし感!足元にもとわりつく猫の後で映し出されるハリーの表情、有名な"鳩時計"の台詞、下水道場面最後のホリーとハリーの表情、アリダ・ヴァリがジョセフ・コットンに一瞥もくれず並木道を通り過ぎるラスト。完璧に近い不朽の名作!
☆☆☆☆★★★
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 ホリー(ジョセフ・コットン)の姿をみて逃げ出す猫。それをみたアンナ(アリダ・ヴァリ)が「ハリーにはなついていたわ」と一言。その後、猫は外を散策し、ある男の足元にすりすり。そしてハリー(オーソン・ウェルズ)の顔が浮かびあげる。このシークエンス、うますぎる。猫好きにはたまらない場面でもあります。





この場面、あまりに見事なのでオーソン・ウェルズが手掛けたのでは?と言われたが、ウェルズは「全部キャロルだ。何度もテストした」と答えている。

ウェルズは『オーソン・ウェルズ―その半生を語る』という著書でのインタビューで"作品全体にあなたの影響が感じられる"というピーター ボグダノヴィッチの指摘を「あれはキャロルとアレクサンダー・コルダの映画」と否定したあと次のように語っている。(上記著書より引用)
「あの役がよかったのさ。脚本にある台詞は全部ハリー・ライムのことばかり - 十巻ずっと彼のことだけが話させる。それにあの戸口のショットだ − 最高のスター登場場面だ!演劇では、ヴェテランのスター俳優は、第一幕の終わりまでは絶対に顔を見せようとしないものだ。(中略)スターの役とはこうしたものなのだ。俳優は台詞の数が多いほど良い役だと思いがちだが、こういう役だと本人の台詞は出来るだけ少なく、その役が話題に上る度数は出来るだけ多くというのが原則だ。これこそがスター映画で、本当にスターを乗せる。スターはただ乗っていればそれでいい」(黄色強調、筆者)オーソン・ウェルズさん、何てゴーマンなんでしょう。でも、本作ではその言葉通りの効果が表れている。

ちなみに本作のオリジナルの予告編にはオーソン・ウェルズは全く登場しない!(上に張ってあるのはresotre版の予告編です)


 『第3の男』ではカメラをやや斜めに傾けて撮影し、緊張感や不安、恐怖を表現するダッチ・アングル(Dutch angle)と呼ばれる撮影技法が多用されている。

 観覧車内でのハリー・ライムによる台詞「30年間、ボルジア家に支配されたイタリアは戦争、テロ、殺人、流血に満ちていたが、ミケランジェロ、ダヴィンチ、さらにルネサンスを生んだ。同胞が家族のように愛で結ばれ、500年間平和と民主主義が続いたスイスは何をもたらしたか?鳩時計だよ」この有名な台詞は脚本になく、オーソン・ウェルズが考え出したもの。その後、スイスから丁寧に「スイスでは鳩時計はつくっていない」と指摘されたらしい。鳩時計の産地はドイツ南西部シュヴァルツヴァルト地方だそうです。

 "批評家が選ぶ名作映画ベスト100"のような企画が持ち上がると必ずランクインする作品。特に日本で人気が高く、大体ベスト5以内に選ばれている。あの淀川長治氏も「完璧すぎて、少し憎らしい」とコメントしている。

 本作のラストは映画史に残る名場面だが、脚本のグレアム・グリーンは当初、ハッピーエンドにする予定だったという。だが、制作者のデヴィッド・O・セルズニックと監督のキャロル・リードがこぞって反対したため、現在の形に落ち着いた。グリーンは「(彼らが)正しかった」と述懐している。

こーいうの張り付けるべきじゃないんでしょうけど、あまりにも有名なので許して!

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2019.05.21 Tuesday | 00:12 | - | - | - |

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