映画のメモ帳+α

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ウォルト・ディズニーの約束

ウォルト・ディズニーの約束 (2013 アメリカ)

ウォルト・ディズニーの約束(2013)原題   SAVING MR. BANKS
監督   ジョン・リー・ハンコック
脚本   ケリー・マーセル スー・スミス
撮影   ジョン・シュワルツマン
音楽   トーマス・ニューマン
出演   エマ・トンプソン トム・ハンクス ポール・ジアマッティ
     ジェイソン・シュワルツマン ブラッドリー・ウィットフォード
     ルース・ウィルソン B・J・ノヴァク メラニー・パクソン
     アニー・ローズ・バックリー コリン・ファレル

第86回(2013年)アカデミー賞作曲賞ノミネート





ウォルト・ディズニーは”ファンタジー小説「メアリー・ポピンズ」を映画化する”という娘との約束をはたすため、原作者P・L・トラヴァースに20年前から映画化を申し出ているが、未だに許可が得られない。トラヴァースは金銭的窮乏を理由にしぶしぶ交渉に応じることにしたが、提示した許諾条件は「アニメもミュージカルもダメ。脚本は原作者の承認を得ること」という厳しい内容だった。オーストラリア人プロデューサーによるトラヴァース伝記映画企画から生まれた作品で、ウォルト万歳の映画ではない。プレミア上映で涙するトラヴァースに声をかけるウォルト、その時彼女が放った一言に笑った。映画『メリー・ポピンズ』の見方が変わる作品。
☆☆☆★★★
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 いくつか脚色があるが(トラヴァースの母親が自殺未遂をしたのは父親が死んだあと、トラヴァースが癒された曲は「タコをあげよう」ではなく「2ペンスを鳩に」、ウォルトは実際にロンドンへは出向いておらず、電話で話しただけ。ただ、この時彼が自分の父親の話をしたのは事実らしい)良質な作品。この作品、邦題で損しているかも。「ウォルト・ディズニーの約束」内容的には間違いではないが、これだとウォルト・ディズニーをひたすら持ち上げる美談映画と思われ、タイトルだけで拒絶反応を起こす人もいるだろう。この映画、(配給はしたが)ディズニー側からの発案ではない。ディズニーが難色を示していたウォルトの喫煙にもわずかに触れているし。(ウォルトは肺がんで死んでいる)何よりも物語のテーマを考えると原題の"SAVING MR. BANKS”(バンクス氏を救え)がふさわしい。それにしても赤を使わずに映画を撮るならモノクロにするしかないですね。

Saving Mr. Banks (2013) - scene comparisons


 この映画、俳優が皆良い。とくにリムジン運転手のポール・ジアマッティ。彼はこういう役を演じると他の追随を許さない安定感。あと、回想場面でトラヴァースの父親を演じたコリン・ファレル。彼は本来、弱さを秘めた役のほうが似合う。いうまでもなくトラヴァース役のエマ・トンプソンはうまい。彼女はシビア一辺倒よりコミカルな要素が混ざった役のほうが本領を発揮する。最初はメリル・ストリープにオファーがあったらしいが、エマで正解だろう。エマは「自分が今まで演じた中で最も難しい役だった」と語っている。ちなみにラスト、トラヴァースはプレミアを見ながら涙する。映画に感激しているように思え、ウォルトの問いかけに「アニメに耐えられなくて」といったのは強がりのように見える。泣いたのは本当のようで、メリー・ポピンズが笑顔をふりまくのに抵抗があり、ラスト、バンクス夫人が婦人参政権運動をあきらめるような描写があったことに不満があり、アニメの削除を要求した。ウォルトは彼女は脚本の承認権があるだけで、映画そのものには適用しないといってその要求を退けた。

エマは本作の演技でナショナル・ボード・オブ・レビュー主演女優賞を受賞。そのときプレゼンターをつとめたのがメリル・ストリープ。エマとメリルはTVドラマ"エンジェルス・イン・アメリカ"で共演しており、旧知の仲。「エマも私と同じく狂犬のようなフェミニストだから許してくれるでしょう」と前置きしたあと、業界最大のタブーと言われるウォルト・ディズニー批判を繰り広げた。「ウォルト・ディズニーは女性嫌い。アニメーターは男性しか採用せず、女性には簡単な仕事しか任せなかった」「反ユダヤ主義のロビー活動を支援していた」....ハリウッドでは周知の事実だったが、"当時の男性は多かれ少なかれそういう傾向があった。ウォルトだけを批判するのはフェアじゃない"とメリルに批判がおこった。メリルはディズニー、チーフアニメーターの「ウォルトは女と猫を信用しないやつだった」という言葉も引用。猫を信用しないなんてケシカラン!

メリルが本作のオファーを断ったのはこれが原因なのか、単にスケジュールの都合だったのかは不明。ちなみにメリルは2014年ディズニーのミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』、そして2018年『メリー・ポピンズ』の続編『メリー・ポピンズ・リターンズ』へ出演している。オトナってよくわからないネ。こんな発言をしても干されないメリルがすごいというべきか。

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2019.03.24 Sunday | 00:39 | - | - | - |

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