映画のメモ帳+α

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スター誕生 (1976)

スター誕生 (1976 アメリカ)

スター誕生(1976)原題   A STAR IS BORN
監督   フランク・ピアソン
脚本   ジョン・グレゴリー・ダン ジョーン・ディディオン フランク・ピアソン
撮影   ロバート・サーティース
音楽監督 ポール・ウィリアムズ
音楽   ケニー・アスチャー
出演   バーブラ・ストライサンド クリス・クリストファーソン オリヴァー・クラーク
     ポール・マザースキー サリー・カークランド ロバート・イングランド

第49回(1976年)アカデミー賞歌曲賞("『スター誕生/愛のテーマ』 Evergreen(Love Theme from A Star Is Born"))受賞。撮影、音楽(編曲・歌曲)、音響賞ノミネート

落ち目の映画スターが才能ある女優を見抜き、抜擢。女優はたちまちスターになり、2人は結婚。だが、女がスター街道をまっしぐらの中、男は再起不能な状態まで悪化して...。シンプルでわかりやすい物語は多くの人の琴線に触れるのか、この物語は長い時を経て4回も映画化されている。『スタア誕生』(1937)、『スタア誕生』(1954)『アリー/スター誕生』(2018)...。3回目の映画化がこの『スター誕生』(1976)である。(原題は4作とも"A STAR IS BORN"で同じなのだが、邦題は微妙に手を加えている)1回目はドラマ、2回目はジュディ・ガーランド主演でミュージカル化。だが、このドラマはどう考えてもミュージカル向きではない。その弊害を考慮してか?3作めは主演にバーブラ・ストライサンドを迎え、舞台をハリウッドから音楽業界にうつした。フリーシネマの影響も感じられ、前2作とはかなり雰囲気が異なる作品である。



バーブラが歌う「スター誕生の愛のテーマ」("Evergreen (Love Theme from A Star Is Born)")は映画を観る前から知っていた。映画は見ていないけどこの曲は知っているという人も多いのではないでしょうか?そう、バーブラの場合、映画のテーマ曲を歌っても歌が独立してしまうことが多いのです。映画を観たあとでも曲を聴いて映画を思い出さない。歌の力が強すぎるんですね。

そんなバーブラ主演の『スター誕生』、前半が音楽中心、後半はドラマメインの展開です。

まずクリス・クリストファーソン演じるノーマンが2時間半遅れてステージに到着、「俺を見つめているか(”WATCH CLOSELY NOW ”)」でスタートします。次の曲で歌詞を忘れるという醜態をさらし、そのあと"HELLACIOUS ACRES"(地獄の広場)という曲を続ける。

ステージが終わり、ノーマンはクラブに出向く。そこでバーブラ・ストライサンド演じるエスターが「クイーン・ビー("QUEEN BEE")」を歌っている。"黒いクモを観たらさっさとお逃げ。クイーン・ビーよ、さっさとお逃げ"という内容。ルパート・ホルムズの作品ですが、安っぽいクラブにぴったりのベタ曲です。この曲の終わりにエスターはノーマンの席までかけより「邪魔よ」と一言。そのあと、エスターは「すべてが欲しいの」 ("EVERYTHING")という凡庸なバラードを歌う。ノーマンはエスターの歌に興味津々だが、客が「お前が歌え」とからんできて、暴動となる。そのすきにノーマンはエスターを連れ出し、車で逃げだす。

その日はエスターを家まで送っただけで終わるが、翌朝、エスターの家に朝食を食べにやってくる。エスターは「何しに来たの」と毒づくが、ノーマンは「競技場でコンサートをやるから迎えに来た」と言い放つ。そして2人はヘリコプターに乗って会場へ到着。ノーマンは「俺を見つめているか(”WATCH CLOSELY NOW ”)」を歌いながら、舞台裏で見守るエスターを舞台に連れ出そうとするが逃げられる。その後、ノーマンはバイクに乗ってステージに戻るが、ステージから落ちてしまい、ステージは中止。エスターは取り残されてしまう。

エスターは日常に戻り、一緒にステージをしているコーラス2人と共にCMソングをこなす。その現場にノーマンがかけつけ、エスターを自分の家へ連れていく。ピアノを見つけエスターがメロディを引き出すとノーマンが歌いだす。この曲が「愛に迷って("LOST INSIDE OF YOU")」そして2人は結ばれる。

ノーマンはレコーディング現場にエスターを呼び寄せ、そこで自分ではなくエスターに「スター誕生の愛のテーマ」(“EVERGREEN (Love Theme from A Star is Born” ) を録音させる。"愛は年をとらず、いつまでも緑..."と歌うこの歌、作曲はバーブラで作詞がポール・ウィリアムズ。バーブラの代表曲のひとつであり、ビルボードNo.1を獲得、売上も200万以上の大ヒット。アカデミー歌曲賞、グラミー賞最優秀楽曲賞も受賞した。この映画最大の見せ場でしょう。この曲、映画のイメージと全然マッチしませんが。



インディアン救済資金ショーにノーマンが出演。ワンフレーズ歌ったあと、くだらんと吐き捨て、舞台裏にいたエスターを引っ張り出す。見知らぬ女の登場に会場はブーイング。エスターは戸惑いつつも覚悟を決めて歌いだす。「月に住む女("WOMAN IN THE MOON ”)」どやどや歌唱でんな。やっぱアメリカ人ってこんな歌い方が好きなのね。

さすが、30年のときをへると少しキーを下げてドヤ感も弱まっています。


大歓声をあびて、エスターはもう一曲歌います。「愛を信じて(“I BELIEVE IN LOVE“」 作詞はアラン・バーグマン、マリリン・バーグマン。作曲は『フットルース』のテーマ曲でおなじみケニー・ロギンス。彼は自分でも歌っています。ケニー・ロギンスのほうがよくない?
Kenny Loggins - I Believe in Love

ここまでがちょうど半分くらい。面白いとは言い難いのですが、歌中心なので気軽に見ることができます。
そして2人は結婚し、ここから先はドラマ中心。死ぬほどつまらない。結婚後のいちゃつき場面で「死んだら殺すわよ」という台詞あるけど笑うところ?このいちゃつき場面のなかでクリス・クリストファーソンの歌う「クリップルド・クロウ(”CRIPPLED CROW")が流れますが、バーブラの曲ばっかりなので申し訳程度に挿入したって感じ。

さて、エスターの受賞場面をノーマンが妨害する場面ですが、前2作の舞台設定が映画業界だったのにたいし、本作では音楽業界に代わっているため、賞もアカデミー賞からグラミー賞に代わっています。エスターは最優秀新人賞を受賞。そこにノーマンが乱入し「最低賞を俺にくれ」と毒づく。つまらんなあ、もう少し暴れてくれないと。でもこの受賞場面、その辺のホテルでの安っぽいパーティみたいで興ざめ。

このあと、女性記者がエスターの独占インタビューほしさに、ノーマンの家に乱入。ノーマンを誘惑する。帰宅したエスターに見つかった。この女性記者、何も質問せず、「どうぞ」とか言って勝手にしゃべらせようとする。馬鹿じゃないの。二人は言い争うが一応仲直り。このあと、ノーマンはひとりドライブに出かけ....。最初は自分の曲をかけていたが、そのあとエスターの歌う"LOST INSIDE OF YOU "に切り替えて...。



ノーマンの死後、はじめて公の場にたったエスターはまず、ノーマンが自宅でギターを弾きながら歌っていた曲、「もう一目、あなたに…(“WITH ONE MORE LOOK AT YOU”」を歌った後、ノーマンが映画冒頭で歌っていた曲、”WATCH CLOSELY NOW"を続けて歌う場面でthe end。クレジットとともに「スター誕生の愛のテーマ」(“EVERGREEN (Love Theme from A Star is Born”) がもう一度流れるという展開です。やれやれ、疲れた。前2作にあった「ノーマン夫人です」のくだりは予想通りありませんでした。ウーマン・リヴというか、時代の流れというか...でも、ここ物語の肝なんですけどね。

堕落して立ちなおれないレベルに達している男ノーマンを、1937年のオスカー俳優フレドリック・マーチや、1954年版ジェームズ・メイソンよりもロック、カントリー歌手クリス・クリストファーソンのほうが雰囲気を醸し出している不思議。こういうのって演技力だけでは限界があるのかもしれませんね。まあ、クリスは常に半裸なので単にだらしなく見えただけかも(笑)。とくに前半はバーブラよりクリスのほうが出演時間長いし、主役をひとり選ぶならバーブラではなく彼でしょう。

といってもバーブラのファンにとってはたまらない作品でしょう。サントラは全米で400万売れたといいます。現在、ネットをみても"アルバムを何百回も聞いた"、"この映画大好き"といったコメントをみます。でも、そーでない人にとっては、やや苦痛な作品。前半と後半のバランスが悪いし、歌手が持ち歌を歌うだけなので、日本人の感覚だと、本作はミュージカル映画でなく音楽映画となる。曲は“EVERGREEN (Love Theme from A Star is Born)が浮き上がっていて、他はみんな同じに聞こえる。バーブラの歌い方が一緒だからね。『愛のイエントル』(1983)もそんな感じでしたが。共演者も歌手なのに、歌はバーブラばっかり。自己プロデュースゆえのワンマンショー。
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2019.01.16 Wednesday | 00:05 | - | - | - |

コメント

新作は新作で、私には微妙な出来でした...

こっちも見直しますかねー(笑)
2018/12/22 4:41 PM by onscreen
新作は新作で、私的にも微妙な出来でした。
もうすぐ記事アップします。

あえて比較するのあら「アリー〜」より1976年版のほうが出来は良いと思います。
2018/12/22 7:52 PM by moviepad

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