ローラ殺人事件
ローラ殺人事件 (1944 アメリカ)
原題 LAURA
監督 オットー・プレミンジャー
原作 ヴェラ・キャスパリー
脚色 サム・ホッフェンスタイン ジェイ・ドラットラーベティ・ラインハート
撮影 ジョセフ・ラシェル
音楽 デヴィッド・ラクシン
出演 ジーン・ティアニー ダナ・アンドリュース クリフトン・ウェッブ
ヴィンセント・プライス ジュディス・アンダーソン
ドロシー・アダムズ ジェームズ・フレイヴィン
第17回(1944年)アカデミー賞撮影賞(白黒) 受賞。監督、助演男優(クリフトン・ウェッブ)、脚色、室内装置賞ノミネート
原題 LAURA
監督 オットー・プレミンジャー
原作 ヴェラ・キャスパリー
脚色 サム・ホッフェンスタイン ジェイ・ドラットラーベティ・ラインハート
撮影 ジョセフ・ラシェル
音楽 デヴィッド・ラクシン
出演 ジーン・ティアニー ダナ・アンドリュース クリフトン・ウェッブ
ヴィンセント・プライス ジュディス・アンダーソン
ドロシー・アダムズ ジェームズ・フレイヴィン
第17回(1944年)アカデミー賞撮影賞(白黒) 受賞。監督、助演男優(クリフトン・ウェッブ)、脚色、室内装置賞ノミネート
NYの女性デザイナー、ローラが猟銃で顔を撃たれて殺される事件が起こった。刑事マークは、彼女の婚約者、叔母、彼女と親しかった批評家の3人に絞って捜査を進めるが、彼の前に死んだはずのローラが現れて...。1940年代、最も美しい女優のひとりと言われていたジーン・ティアニーの出世作。クリフトン・ウェッブ、ヴィンセント・プライス、ジュディス・アンダーソンらの曲者俳優共演、陰影のあるカメラワークで楽しめる。ヒッチコック「めまい」の原型とよべる物語。構成は単調だがデイヴィッド・ラクシンが手掛けた優雅なテーマ曲が"幻の女ローラ"の美しさを際立たせる。この曲はのちに歌詞がつけられジャズ・スタンダードとなった。
☆☆☆★★★
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※刑事の仕事はストレスたまる?こんな小さな野球ゲームで心をおちつかせるマーク...。
※ ブロードウェイの名優クリフトン・ウェッブは同性愛者だったため、製作者ダリル・ザナックは彼の起用に反対していたが、監督オットー・プレミンジャーがそれを押し切って起用。ウェッブは期待に応えアカデミー助演男優賞にノミネートされた。ウェップはザナックにあった時、「ザナック、知らねえな」と映画同様の尊大な態度を見せ、ザナックを激怒させた。1925年以来の映画出演となったウェップ、大スクリーンで自分の"老いた姿"を見て落ち込んだという。
※ 3大怪奇スターのひとりヴィンセント・プライスはホラー的な役どころではないにもかかわらず、自分の出演作で本作がベストだと考えていたという。
捜査をすすめていくうちに、会ったこともない死人に思いを寄せる刑事マーク。『めまい』(1958)のネタ元?のような物語。ここをもう少しつきつめていけば、もっと面白くなったのに!ちなみにこの肖像画は写真のうえから油絵具で塗ったものらしいデス。刑事役のダナ・アンドリュースは当時の2枚目映画スターの典型のごとく、低めの声に大根っぽい演技。ジーン・ティアニーとダナ・アンドリュースは『タバコ・ロード』(1941)に続く共演。ジーン・ティアニーは本作に乗り気でなかったが、契約の関係でしぶしぶ出演。結果として彼女の代表作となる。2人の脇を固めるのがブロードウェイの名優クリフトン・ウェッブ、怪奇俳優ヴィンセント・プライス、そして『レベッカ』(1940)の怖〜いダンヴァース夫人役で知られるジュディス・アンダーソンが脇を固める。この奇妙なケミストリー!
癖のある俳優陣、陰影を醸し出すカメラワーク、野球ゲーム、時計などの小道具、魅惑的なテーマ音楽...台詞も良いものがいくつかある。("In my case, self-absorption is completely justified. I have never discovered any other subject so worthy of my attention."自己陶酔は正しいと思っている。他人の干渉は認めない。ete)
物語は会話による捜査場面がメインなのでややダレ気味、犯人もなんとなく想像がつく。映画の魅力は(物語は弱くても)複数の要素がからみあって作られるという優良サンプルのような作品。
※ 「AFIアメリカ映画100年シリーズ」以下の部門でランクイン
「スリルを感じる映画ベスト100」 73位。
「10ジャンルのトップ10」ミステリー部門 4位。
「映画音楽ベスト100」 7位。
※ 本作の名声を高めたのはデヴィッド・ラクシンが手掛けたテーマ曲。頻繁に流れるわけではないが優雅なメロディは強い印象を残す。作曲当時、ラクシンは妻から離婚したいという旨の手紙を受け取り、その陰鬱な気分をもとに着想して曲をつくりあげた。映画公開から数か月後、ジョニー・マーサーにより映画のイメージにそって詩がつけられた。その曲はジョニー・ジョンストンがラジオで歌ったのが最初だったが、レコードとしてはウディ・ハーマン版がミリオン・セラーとなる。Laura - Woody Herman 1945。そのあと、多くの録音が吹き込まれ押しも押されぬジャズ・スタンダードとなる。Laura (1945 song)。フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、ジュリー・ロンドンなど歌の録音もあるが、かなり複雑な難曲であるため、歌よりはインスト版のほうが多い。