映画のメモ帳+α

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ローマで起った奇妙な出来事

ローマで起った奇妙な出来事 (1966 アメリカ)

ローマで起った奇妙な出来事(1966)原題   A FUNNY THING HAPPENED ON THE WAY TO THE FORUM
監督   リチャード・レスター
脚本   メルヴィン・フランク マイケル・パートウィー
撮影   ニコラス・ローグ
音楽   アーウィン・コスタル ケン・ソーン
出演   ゼロ・モステル マイケル・クロフォード バスター・キートン
     マイケル・ホーダーン フィル・シルヴァース ジャック・ギルフォード
     イングリッド・ピット アルフィー・バス

第39回(1966年)アカデミー賞編曲賞受賞。

ローマで起った奇妙な出来事』は1962年ブロードウェイで上演され、大ヒットしたミュージカルの映画化です。『ウェストサイド物語』の作詞で有名となったスティーヴン・ソンドハイムがはじめて作曲も手掛けた作品としても知られています。損度ハイムの作曲はさほど評価されませんでしたが、オリジナル舞台は第17回トニー賞(ミュージカル部門)で作品、演出、主演男優など6部門を受賞。大ヒット舞台が原作ですが映画はさほど話題にならず、今ではバスター・キートンの遺作として語られることが多い作品です。



物語
古代ローマ。ウソつきで最低の奴隷と言われているプセウドラス(ゼロ・モステル)は"自由"を切望していた。主人であるセネクス(マイケル・ホーダーン)が留守のとき、セネクスの息子ヒーロー(マイケル・クロフォード)が隣家のフィリア(アンネット・アンドレ)に思い焦がれているのを知る。プセウドラスはヒーローに自分がその娘を世話してやるから自由の身にしてくれと頼みこむ。フィリアが住むのは奴隷証人ライカス(フィル・シルヴァース)が経営する高級娼館。プセウドラスはヒーローを連れて娼館にもぐりこむが、フィリアはローマの荒武者隊長ミレス(レオン・グリーン)に売約済みの処女で、まもなくミレスが迎えにくる予定だった。

"最低の奴隷"プセウドラスを演じたゼロ・モステルは舞台からの続投。ゼロは舞台と同じ役を演じるにあたって以下の5人のいずれかが監督をすることを要求。その監督とは.....オーソン・ウェルズ、チャールズ・チャップリン、ジャン・ルノワール、リチャード・レスター、セス・ホルト。4番目からの格落ち感半端ない(笑)。ゼロ・モステルは既にトニー賞を3度受賞するなど勢いに乗っていたため、製作側もその要請を無視できずリチャード・レスターが監督に決まったとのことです。

では内容・楽曲をみていきましょう。
まず、冒頭からゼロ・モステルが歌いだす"Comedy Tonight"。
今夜は喜劇をご覧あれと歌っているだけの曲です(笑)。ラストにも歌詞を変えて登場。↑の予告編でも流れていますし、本作のテーマソングといってよい。でも聴いてて全然面白くない。あとで触れますが、1966ってこういうノリもう通用しなくなってきた時期では?舞台なら登場人物の顔みせとして使えるかもしれませんが、映画ではカットして別の見せ方を考えたほうがよかった。

プセウドラスがヒーローを連れて娼館に入る。
そこで次々と娼婦が登場。娼婦たちの中にヒーローのお目当ての娘はいない。
やっと見つけたフィリア!彼女は娼婦ではなくローマの荒武者隊長マイルズに売約済み。
ヒーローは彼女に告白し、連れ出そうとする。
そこでフィリアが「私は知識がない。取柄はひとつだけ」といった後、歌われるのが"Lovely"。

私は美しい 美しさだけが私の取柄
縫い物も料理もできず自分の名前も書けないのは恥ずかしいけど
私は幸せ 美しさをあなたに差し上げられるから

と歌い、ヒーローがその言葉をそっくり返すように

君は美しい 誰もが認める美しさだ
君の前ではビーナスも無力
トロイのヘレンも恥じ入るだろう

と返す。あと2人で

私は幸せ 美しいことが幸せ
美しさがもたらす唯一の特典を2人で共有できる

と歌いキス。もう勝手にせえやって感じですが、この場面、痴呆的にみえるのはコメディだから?


その後、とりあえずフィリアを新しいメイドに仕立てていったん匿うことにする。
そこで歌われるのが"Everybody Ought to Have a Maid"
"みんなメイドが必要だ。主人の傍にいつもメイドを"という内容ですが、
"さりげなく皿をかたづける姿はなんておいしそう"とか"窓を閉め寝床を準備し主人に媚を売るメイドを"とか
"人手が足りないときに奥さんとは違うサービスが得られる"とかセクハラっぽい内容もさらりと含まれています。
フェミニストの前で歌ったら殴られそうな曲です。

映像はバリエーションに富んで楽しいですが、根本的な映像表現が間違っています。
おっさんの歌う姿はいらないから、綺麗どころのメイド出してよ!.


いよいよ荒武者ミレス・グロリオサスが花嫁を迎えにやってきます。
そこで歌われるのが"Bring Me My Bride "

花嫁よ迎えに来たぞ 私の前に現れよ
急げ 私には時間がない
征服する国々が待っている 休む暇はない

私はミレス・グロリオサス
名だたる悪の権化
戦場では尊敬され知力に富み
誰からも愛され着こなしもすばらしい
動く"絶景"そのもの

幸運な私の花嫁よ
伝説的な男に抱かれよ

という内容の歌
うーん、”lovely"といい"Bring Me My Bride"といい自意識過剰な歌ばっか(笑)


ミレス登場にあせったプセウドラスは時間稼ぎをするがついにミレスの堪忍袋が切れる。
そこでプセウドラスはフィレスを死んだことにして奴隷頭ヒステリアムに女装させて死体として横たわらせる。
そのとき、再び"Lovely”のお披露目。プセウドラスが女装したヒステリアムをなだめるように歌います。

君は美しい。紛れもなく美しい。
誰もが認める美しさだ

まあ、ここが一番の笑いどころですね。
その後、彼女が死んだと思い込んだヒーローは「僕も死ぬ」と叫ぶ。
するとミレス側の兵士がぼつり。

自殺は違法だ。死刑になるぞ

こういう"健康のためなら死んでもいい"的ギャグは好きですね。

その後、企みはミレスにばれ、大騒動。最初で予告されていた通りハッピーエンドとなり
ラスト"Comedy Tonight"で締める。
ラストのアクション場面はどこか一本調子。『ベン・ハー』(1958)のパロディがしょぼすぎて....。

エンド・クレジット映像に工夫がみられるのが特徴。
エンドクレジットにここまで手をかけるのは当時としては珍しい。
ビートルズ映画を2本手掛け、MTVからは"MTVの父"と賛辞を贈られたリチャード・レスター監督の資質がここに見えます。


この映画が公開された1966年はベトナム戦争などの世情も影響し、1950年代まで隆盛を誇っていたミュージカル映画が衰退しはじめた時期。舞台版にくらべるとかなり曲目が減らされているのは(カットされた曲は "Love I Hear" , "Free", "Pretty Little Picture" , "I'm Calm" , "Impossible" , "That Dirty Old Man" 、"That'll Show Him" )そういう状況を考慮してだそうです。そこまでして映画にする必要ある?似たり寄ったりのメロディばかりで歌は印象に残らない。

映画『ローマで起った奇妙な出来事』は曲が少ないため、ミュージカル映画としては物足りず、コメディとしても勢いを感じない。映画公開前、既に続編予定が発表されていました。そのタイトルとは" A Funny Thing Happened on the Way to the Guillotine "。その予定はギロチンにかけられてしまったようで結局、製作されませんでした。
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2018.08.18 Saturday | 20:02 | - | - | - |

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