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オリエント急行殺人事件 (2017)

オリエント急行殺人事件 (2017 アメリカ)

オリエント急行殺人事件(2017)原題   MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
監督   ケネス・ブラナー
原作   アガサ・クリスティ 『オリエント急行の殺人』
脚色   マイケル・グリーン
撮影   ハリス・ザンバーラウコス
音楽   パトリック・ドイル
出演   ケネス・ブラナー ペネロペ・クルス ウィレム・デフォー ジュディ・デンチ
      ジョニー・デップ ジョシュ・ギャッド デレク・ジャコビ レスリー・オドム・Jr
      オリヴィア・コールマン ミシェル・ファイファー デイジー・リドリー 

ミステリーの女王アガサ・クリスティの代表作と聞かれて真っ先に思い浮かぶのは『そして誰もいなくなった』、『アクロイド殺し』、『オリエント急行の殺人』の3つだろう。クリスティは多作ながら安定したクオリティを保っていた作家ゆえ別の作品を挙げる人も多いかもしれない。だが、代表作として上記3作をあげたのは結末のインパクトが強いため。3作とも"2度は使えない手口"を使用している。3作のうち、『アクロイド殺し』は小説以外で実現不可能なトリックゆえ映画化作品はない(多分)。一方、『そして誰もいなくなった』は何度も映画化されているが成功作と呼べるものナシ。映画の多くは小説でなく戯曲版のオチを採用しているため、"そして誰もいなくなっておらず"どっちらけでした。最後の『オリエント急行の殺人』は1974年、名匠シドニー・ルメット監督のもとイングリッド・バーグマンら豪華キャストで映画化。興行、批評ともに大成功を収めた。それをきっかけにクリスティ原作、オールスターキャストによる映画が次々製作されることになる。ハリウッドでは"どじょうは2匹どころが10匹はいる"という考え方らしいが、だんだんクオリティも興行成績も落ちていったため、流れは立ち消えたはずだった。昨今、アイデア不足が嘆かれて久しいハリウッド。夢よもう一度(今、はやりのリブートの一種?)とばかり『オリエント急行の殺人』がまたしても映画化された。それが『オリエント急行殺人事件』である。監督、主演(つまり探偵ポアロ役)はケネス・ブラナー。他、ジョニー・デップミシェル・ファイファーペネロペ・クルスジュディ・デンチらオールスターキャスト。名優陣に人気シリーズ物の主役を混ぜるという前回のパターン(1974年版は007のショーン・コネリー)も踏襲し、今回は『スター・ウォーズ』シリーズのヒロイン、デイジー・リドリーがキャストに加わっている。



 アガサ・クリスティ・ミステリーの特徴とは?
アガサ・クリスティといえば聖書とシェイクスピアの次に読まれていると言われ、ギネスブックも認定する"最大のベストセラー作家"。なぜ彼女のミステリーが多くの人を魅力し続けるのだろうか?クリスティのミステリー小説の特徴(つまり人気の理由)を自分なりに考えてみた。

poirot and insepector jappエルキュール・ポアロミス・マープルといった魅力的な名探偵
(クリスティはポアロにうんざりしていたとか。まあ、女性ですからマープルなどのほうが書いてて楽しかったでしょうね。「ポアロにうんざり」だったアガサ・クリスティ、孫が明かす
.登場人物が類型的
やたらおしゃべりな上流階級のオバサン、若い美男美女、女優、その元恋人、屈折した青年、しっかりした女性、執事、家政婦、金持ちの爺さん...マンネリと言えなくもないが、安心感があり漫画チックな楽しみあり。
.文章が平易で読みやすい。さらっと文学的表現やブラックユーモアが混ざっているのもスパイスが効いている。血が蔓延するなどグロテスクであったり、性的に過激な描写はないので万人に受け入れられやすい。
.複雑なプロット。ただし入り組み過ぎて謎の提示だけで解明できることは少ない。その代わり、前半に文章でさりげなくにおわせていることがある。(『ナイルに死す』はそれでわかりました)読者に犯人を勘であてさせるタイプ。ラスト近くのまとめを見れば、犯人をあてることができるエラリー・クイーンとは対照的。
.前半は登場人物の紹介が多く、殺人は小説半ばごろに起こる。犯人はラストギリギリまでわからないことが多い。前半はやや退屈するが、一見無駄に思えるエピソードが重要な手がかりとなることもあるので気が抜けない。
犯人は主要登場人物の中から選ばれることが多い。(映画でいうと主役級)出番の少ない執事や家政婦が犯人ということはまれ。
(これもわかりやすさという点で人気の秘訣ですね)意表をつくのが大好きで、「アクロイド殺し」のように反則それすれのパターンもある。ただし、子供が犯人だったとか、日本の某作家のように突然、犯人役として新たな登場人物が出てきたりする、そんなあざとさはありません。
7. もっとも疑わしい人物は明確なアリバイがあり、真っ先に容疑者から外れるというパターンが多い。ただし、結局、その最有力容疑者が犯人だったということもあるので油断ならない。
.クリスティは「人はささいなことで犯罪を犯す」という考え。よって松本清張のように犯行動機に重きを置いたりしたりしない。動機は(女性作家らしく)恋愛がらみだったり、過去の犯行がばれるのを恐れていたり...金目当ての殺人は少ない。
.犯人は裁かれるというより、最後死んでしまうパターンが多い。犯人に"正義の鉄拳"が下されるというニュアンスはあまりない。
10.犯行推定時刻は結局、実際とは違っていることが多い。(犯人が時計をいじるなどで)
11.クリスティの2番目の夫が老古学者だったこともあり、旅行ものが多い。
12. 舞台設定がどこかの屋敷だったりで、時代を感じさせる要素が少ない。小道具も普遍的なものばかり。
よって今読んでもさほど古く感じない。(クリスティが今の時代に生きていたら携帯とかネットとかメールとかそのあたりを小道具に組み込んでいただろうか?)

筆者はクリスティの小説は著作全体の1/3程度しか読んでいない。
最近、映画化された作品の原作を読み返したうえでの所感にすぎず、研究本の類は目を通していない。
よって"違うよ"といぶかしがる熱心なファンもいるかもしれないが、そこはご勘弁いただきたい。

オリエント急行 切手

 アガサ・クリスティ原作映画は××ばかり...?
アガサ・クリスティは世界一のベストセラー作家であるから、当然、TVドラマ、映画など映像化された作品は数多い。
TVドラマは見ていないのでわからないが、映画に限って言えば傑作は驚くほど少ない。
個人的にみた範囲で一見の価値がある作品は『情婦』(1957)、『オリエント急行殺人事件』(1974)、『ナイル殺人事件 』(1978)の3つのみ。なぜだろうか?答えは単純明快、アガサ・クリスティが紡ぐ謎解き犯人あて、いわゆる本格推理小説は映画に不向きだからである。
ライバル、エラリー・クイーンの作品がほとんど映画化されていないことからもよくわかるだろう。

謎解きだとどうしても説明的要素が多くなる。
ましてポアロ物に多い密室推理物だと、殺人発生→容疑者への事情聴取、アリバイ確認→謎解明といった、映像化した場合、単調で退屈な展開となる。それを防ぐため、第2、第3の殺人が起こったりするが基本的な流れは変わらない。
また、クリスティは前述のとおり犯行動機を重視していない。
ミステリーにおいて犯行動機は情に訴えることができる、つまり映画の魅力としてアピールできる最大の要素である。

もちろん異国情緒や漫画チックで個性的な登場人物など映画にしやすい部分もある。
だからエラリー・クイーンと違って多数映画化されているのである。
だが、全体としてみるとアガサ・クリスティのミステリー小説は映画化に向いていない。
映画向きでない素材をいくら映画化したところで傑作は生まれない。

では上記3作品はなぜ傑作となりえたのか?
『情婦』の原作は短編小説(の戯曲)。よって物語も謎も実にシンプルなのだ。
監督のビリー・ワイルダーは原作にない要素を多数加え、魅力的な作品に仕上げた。
『情婦』はアガサ・クリスティ原作映画の最高傑作であり、その地位は当分、安泰だろう。
というか映画は原作を超えてます...。脚色が作品のクオリティを高めたのは本作のみ。

『ナイル殺人事件』はロケ地、キャストの魅力もさることながら、原作に変な脚色を加えていないのが成功要因。
原作はかなり長いため、登場人物は何人か"整理"されているものの全体的には原作に忠実な作品。ポアロの事情聴取場面では各容疑者が犯人だった場合のシュミレーション映像が出てくるのが楽しい。殺すときの表情やリアクション!マギー・スミスが特によかった。最後の謎解明場面も実にわかりやすい、すっきり。

では今回リメイクされた『オリエント急行殺人事件』の1974年版はなぜ成功したのか?
もちろん監督シドニー・ルメットの卓越した手腕、名も実も兼ね備えたオールスターキャストの魅力は大きい。
だが、一番の要因は原作『オリエント急行の殺人』がアガサ・クリスティの小説としては例外的内容だったから。
時流にそい、社会性が強い。(アームストロング事件のモチーフはリンドバーグ愛児誘拐事件)、犯行動機も情に強く訴えてくる。物語が従来のクリスティ作品と異なり、映画的要素が多々含まれていたため『オリエント急行殺人事件』(1974)は大成功をおさめたのだ。

 2017年版『オリエント急行殺人事件』は映画的流れを重視

オリエント急行殺人事件(2017) 出演者

さて、長すぎる前説をへてようやく、本題、2017年版『オリエント急行殺人事件』の話に入ります。
頭を切り替えていただくために、でかい写真載せときました(笑)。

このリメイク話を耳にしたとき、"なぜ今ごろまた...?”と首をかしげました。
監督、主演ポアロ役はケネス・ブラナー。微妙....。
顔ぶれも1974年版に比べるとやや小物感。
大スター、ジョニー・デップ様はどの役?
え、あれ?あの役はてっきり"悪役顔"ウィレム・デフォーだと思ってた(笑)。
ジョニーがラチェットを演じるなら前半、無駄に引き延ばすだろうな、と。
スターの出演時間は十分に確保しておかないと興行成績に影響するし。
ちなみにポアロがジョニー扮するラチェットに向かって
「お前の顔が嫌いだ」と言い放つ場面があります。
ジョニーファンはむかついたでしょうが、あれは原作にある台詞なのでご納得を(笑)。
昔、こんな歌もありましたね。コンセントピックス 「顔」(シングルVer)

おしゃべりババア、ハバード夫人は誰が演じるの?
え、ミシェル・ファイファー!?ちとイメージ違うな...。
まあ、1974年版でハバード夫人を演じたローレン・バコールも少し違和感ありましたけどね。
ハバード夫人役を最初にオファーされたのはアンジェリーナ・ジョリー。2番目はシャーリーズ・セロンだったという。ミシェルは3番手だったわけです。でも結局、ミシェルで正解。アンジーもシャーリーズ・セロンもミシェル以上にイメージが合わず、年齢も若すぎる。

冒頭、嘆きの壁がいきなり出てきたのはびっくりしました。
ここでポアロの推理ショー。今から登場するポアロ様は名探偵なんですよ〜という紹介場面です。
『クリスタル殺人事件』(1980)の冒頭、村のミステリー映画上映会場面を思い出しました。
犯人がわかる直前で映像がとまる...。ざわめく客。「私はもう犯人わかったからいいわ」とミス・マープルが颯爽と会場をあとにするんです。
まあ、嘆きの壁は地方公民館?よりは名探偵登場にふさわしいでしょう。

この映画、クリスティ映画の常である、なんの効果も生み出さない中途半端な脚色がやっぱりあります。
計算されつくした本格推理小説の物語はいじっちゃだめなの
ポアロのキャラも少し変。何、あのオンナの写真?必要以上に正義感ぶってるし。
「どんな理由であれ殺人はだめです」と語るのは原作にもあるし、ごもっともですがラストに違和感。
あと口髭ね。1974年版ではクリスティ本人が"ポアロがイギリス一の口髭じゃなかった"と不満を述べたことを考慮して、今回長ったらしく汚らしい口髭がべったり。あまりに不自然で安物コスプレ感半端ない。

一番の特徴としては映画的流れを重視していること。
単調になりがちな容疑者への事情聴取場面が大幅にカットされている。
3人分まとめて交互に見せたりしているし。
また、ラチェットの死体が発見される場面、ラチェットの死体を検証する場面でGod's Eye Viewと言われる真上からとる撮影法を用いている。この撮影法は『サイコ』(1960)のこの場面(Psycho (10/12) Movie CLIP - Arbogast Meets Mother (1960) HD)が有名だけど、死体発見、検証場面なんかで使う必要あるかな。映像にメリハリをつけるためだろうけど違和感のほうが大きく、あまり意味がないような気がする。あと、12箇所刺されており、その刺され方に違いがあることはきちんと説明しておいたほうがよい。

容疑者への事情聴取場面が短いことは当然、弊害も出てくる。
肝心の謎がよくわからなくなる点だ。
赤いナイトガウンの女とか、車掌の制服のボタンとか、イニシャル入りのハンカチとか、偽造されたパスポートとかドアの外からラチェットの声だけが聞こえたとか謎への手がかりとなる数々の点が、原作にあるから台詞に入れときましたって感じで謎が単なるつけ足しと化している。そのため、映画を観ただけだと謎解きはほぼ不可能。1974年版は事情聴取場面はきちんと描かれていた。単調さは否めないが、各俳優の演技力、存在感でカバーしていた。2017年版は事情聴取場面が薄いため、俳優たちの演技的見せ場がほとんどない。ジュディ・デンチが強面で犬を撫でているだけの置物と化していたのには驚いた。よくこれで出演OKしたな〜。

あと、ラスト。これはちょっと面白かった。
ポアロがついに謎を解明し、原作及び1974年版映画では列車内で容疑者たちに結果を伝える。
この2017年では、"最後の晩餐"のごとく、長テーブルに全員座らせてのご訓示!

これよ、これ!
MURDER ON THE ORIENT EXPRESS 2017 last supper

ここでミシェル・ファイファーに(ポアロ役のケネス・ブラナー以外)ほぼ唯一といっていいほどの演技的見せ場が用意されています。(これってネタバレ?違うよね...)ミシェルは3番手だったわりには優遇されていますね。ラスト、主題歌まで歌わせているし。(曲も歌もたいしたことありませんが)

この映像は何?こんな場面、映画にありませんよ。
Never Forget - Michelle Pfeiffer


まあ、結局こういうことなのかもしれませんね。
Going Bra(nagh)less! Sir Kenneth steals a glance at Michelle Pfeiffer's unsupported assets as they put on a giddy display at Murder On The Orient Express world premiere

 ケネス・ブラナーが『オリエント急行殺人事件』のプレミア上映で、横にいたジュディ・デンチには眼もくれず、ミシェル・ファイファーの胸元ばかりを凝視していたという内容。今のご時世ですからもちろん大炎上!?

2017年版映画『オリエント急行殺人事件』、物語、結末を知っていても退屈しなかったし、それなりに楽しめました。でも、謎解きの楽しみを軽視しすぎており、1974年版を超えたとはお世辞にもいいがたい。クリスティ原作映画中、数少ない傑作群の仲間入りは果たせませんでした。(結末でほのまかせていた)続編?も決まっており『ナイル殺人事件』とか...。映画化されていない、他の作品を探す努力してみたら?
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<アガサ・クリスティ原作映画>
そして誰もいなくなった (1945)
情婦 (1957)
姿なき殺人者 (1965)
そして誰もいなくなった (1974)
オリエント急行殺人事件 (1974)
ナイル殺人事件 (1978)
クリスタル殺人事件 (1980)
地中海殺人事件 (1982)
死海殺人事件 (1988)
アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵 (2005)
ゼロ時間の謎 (2007)
アガサ・クリスティー 奥さまは名探偵〜パディントン発4時50分〜  (2008)
華麗なるアリバイ (2008)

 他にもたくさんありますが、さすがに全部取り上げるのは難しふございます。

<クリスティ失踪事件を扱った映画>
アガサ 愛の失踪事件(1979)
2017.12.09 Saturday | 21:49 | 映画 | comments(2) | - |

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2024.03.19 Tuesday | 21:49 | - | - | - |

コメント

クリスティ特集、ありがとうございました&#9835;

クリスティのミステリー小説の特徴(つまり人気の理由)も、納得しながら楽しく読ませていただきました。

これだけの作品を執筆しながら、ミステリー史上に残るトリックと犯人像の作品も残したクリスティは、やはり素晴らしい作家だと思います。

私には、デヴィッド・スーシェが演じたテレビ版ポワロがやはり一番印象的です。
作品数が多いので、テレビ版でも残念な作品も…
『アクロイド殺し』はとてもとても残念でした。仕方ないことではありますが。

「情婦」「オリエント急行殺人事件 (1974)」は好きな映画です。今回は、ちょっと忙しくてまだ観ていません。
1974年版を超えていないのですね…残念…ちょっと予想通り…

>映画化されていない、他の作品

本棚を見ましたが、ポワロ物だと見つかりません(^_^;)。プチ断舎利してしまい、本が1/3以下になりました。
映画化だから、お屋敷物より旅行物ですよね!
ミス・マープル物ですと、「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」が旅行に行く作品です。ポワロにしちゃえ〜(笑)
2017/12/12 2:03 PM by パール
TV版は見ていないので何ともいえませんが、
映画版のポアロ役、ピーター・ユスティノフが好きです。
アルバート・フィニーはちょっとくどすぎ
ケネス・ブラナーはポアロのイメージじゃない(^^;

『アクロイド殺し』ってTVでやったんですね。無謀すぎ。

本作、列車の内装とか豪華キャストとかで退屈はしませんでしたが、映画としての出来は1974年版には遠く及ばない...

>映画化だから、お屋敷物より旅行物ですよね!

だから結局、次作は『ナイル〜』なんでしょうけど。
クリスティ旅行シリーズのリブートか!?と呆れました。
他の作品探せよ!と。

といってミス・マープル物をポアロに変換してしまうと
相当無理が出てくる気が...
短編から探したほうがよいのでは?と思ったりします。
(あまり短編は読んでいないのでどれとはいえませんが)
2017/12/12 6:44 PM by moviepad

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