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ブレードランナー 2049

ブレードランナー 2049 (2017 アメリカ)

ブレードランナー 2049(2017)原題   BLADE RUNNER 2049
監督   ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原案   フィリップ・K・ディック
脚本   ハンプトン・ファンチャー マイケル・グリーン
撮影   ロジャー・ディーキンス
音楽   ハンス・ジマー ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演   ライアン・ゴズリング ハリソン・フォード
     ロビン・ライト ジャレッド・レト アナ・デ・アルマス
     シルヴィア・フークス カーラ・ジュリ マッケンジー・デイヴィス
     バーカッド・アブディ デビッド・バウティスタ デヴィッド・ダストマルチャン
     ヒアム・アッバス レニー・ジェームズ ウッド・ハリス トーマス・レマルキス
     マーク・アーノルド ショーン・ヤング エドワード・ジェームズ・オルモス

ブレードランナー』(1982)の続編が作られるというニュースを聞いて..正直言ってやめときゃいいのに、と思った。『ブレードランナー』は周知のとおり、1982年の劇場公開時は興行、批評とも振るわずその後、ディレクターカットなどの公開を得て徐々に評価があがり、今やカルト映画的な人気を保っている作品だ。"カルト映画的人気"とは、言い換えれば"一部の熱狂的なファン以外はあまり関心を持たれない作品"ということ。『ブレードランナー』は娯楽性よりもアート性の高い作品であり、そんな映画を巨額予算で拡大公開しても結果は前回と似たり寄ったりだろう。また、『ブレードランナー』の大きな魅力は"汚らしい未来社会"の映像。その質感はVHSビデオの粗い画質にマッチする。それをデジタルの綺麗な画質でやったところで...。そんなことをぼんやりと考えているうちに続編『ブレードランナー 2049』は 2017年10月6日全米で公開されていた。前作の監督リドリー・スコットは製作総指揮にまわり、監督は『灼熱の魂』(2010)、『メッセージ』(2015)のドゥニ・ヴィルヌーヴ。批評は絶賛、観客にも好評だったが、興行的には"観客が中高年男性しかいない"と称されるなど、またしても期待を下回る結果に終わりそうだ。163分という長尺、前作以上に芸術性に趣をおいた作り、説明不足による物語のわかりにくさなどが影響したか。



前作において一番抵抗を感じたのは"人間以上に人間的感情をもったレプリカント像"であった。
原作のフィリップ・K・ディックによると進化したレプリカント(ディックの表現ではアンドロイド)と人間との決定的違いは"感情移入"なのだが、それをレプリカントがあっさり超えてしまったら、あとはどーするの?本作『ブレードランナー 2049』では何と生殖機能をもったレプリカントが登場!もうこーなったら人間とレプリカントを区別する必要ある?前作においてデッカードと一緒に逃亡したレイチェルが”人間とレプリカントとの間の子を産んだ"という設定です。もう何でもありさ。

主役は今回もレプリカントです。
前作劇場公開版ではご丁寧にナレーションまであったのに、今回は本当にいろいろと説明不足。
登場人物の前作の主役ディカート(ハリソン・フォード)とレイチェル(ショーン・ヤング)の間の子供、つまり”人間とレプリカントの子"に対するスタンスを整理すると物語もわかりやすくなります。ちなみに子供は帝王切開で生んだのですが、レイチェルはその後亡くなっています。

 レプリカントの子のデータを入手せよ!(個人目的)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・K/ジョー(ライアン・ゴズリング)。
レプリカント。2020年の大停電の際、人間に反抗したネクサス8型レプリカントたちを「解任」するブレードランナー。馬の玩具の記憶がきっかけで、自分がディカートとレイチェルの子どもではないかと疑い始める。

・ジョイ(アナ・デ・アルマス)
Kの彼女でホログラムAI。最新アップデートで、自宅以外でもホログラムを映せるようになったため、Kの捜査に同行する。

 レプリカントの子のデータを入手せよ!(ビジネス目的)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ネアンデル・ウォレス(ジャレッド・レト)
レプリカント製造会社を経営。人間に反抗的なレプリカント、Nexus8により、2020年にブラックアウトと呼ばれる大規模停電が起こった際、人間に忠実なNexus9を作って問題を解決。レプリカントを奴隷とみなし、それを利用して宇宙を支配しようと考えている。レプリカントが子供を産んだというニュースは将来のビジネスを左右する問題。(レイチェルはNexus7のレプリカント。生殖機能をもつのはNexus7のみ。Nexus8も、ウォレスの会社が作ったNexus9も生殖機能は備えていなかった)
生殖機能をもつレプリカントの謎を解明するため、ルヴに命じてKを追跡させ、父親ディカートを拉致する。

・ルヴ(シルヴィア・フークス)
レプリカント。ウォレスのアシスタントでウォレスの命令でレプリカント出産の謎を追うKを追跡する。

 レプリカントの子のデータを消去せよ!(人間防衛 or レプリカントの権利確立)−−−−−−−−−−−−
・ジョシー(ロビン・ライト)
Kの上司。人間とレプリカントの子ができたことが公になったら人間社会が危機的状況になることを危惧し、証拠を全て消去するようにKに命じる。

・フレイサ(ヒアム・アッバス)
レプリカント地下組織のリーダ。奴隷からの脱却を目指す。レプリカントを奴隷としか考えていないウォレス・コーポレーションに秘密を知られないようにするため、レプリカントのデータを消去。リック・デッカードも殺害するように促します。

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この面倒くさいしがらみで、物語はゆっくりと展開します。
物語の2/3が過ぎハリソン・フォードが登場するまでは眠気をこらえるのが大変でございました。
その後はいろいろと見せ場があります。プレスリーやシナトラ、マリリン・モンローのホログラムが登場するのはご愛敬。
そして物語の行きつく先は....結局、前作と一緒なんです。流れてくる音楽も前作と同じVangelisnoの"Tears in Rain "。

レプリカントが人間以上に人間的な感情を示し、人間を救う

これが映画『ブレードランナ―』の物語テーマなんでしょうね。
そして鑑賞後の筆者の所感も前作とまったく同じ。
物語は大したことないが、映像は素晴らしい。フォードが隠居していたホテルのセピア色の光景!
物語は追わず、SFアート映画、鑑賞物としてボーと眺めているのが最適の映画。
前作から時間がたちすぎていることもあり、続編というよりは新作ととらえたほうがよいかもしれませんが、続編という枠組みでとらえた場合、かなり良い出来だと思います。この映画のようにもっと長くだらだらと記事を書く予定だったけど、前作と全く同じ結論に達したので今回はこれでおしまい。
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<フィリップ・K・ディック原作映画>
ブレードランナー (1982)
トータル・リコール (1990)
スクリーマーズ (1995)
クローン (2001)
マイノリティ・リポート (2002)
ペイチェック 消された記憶 (2003)
スキャナー・ダークリー (2006)
NEXT -ネクスト- (2007)
アジャストメント (2011)
トータル・リコール (2012)

 「バルジョーでいこう!」(1992)は未見
2017.10.28 Saturday | 19:50 | 映画 | comments(0) | trackbacks(1) |

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2017.12.10 Sunday | 19:50 | - | - | - |

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すごく好き!アメリカでの興業が大コケだったという噂なんか私には関係ない。設定30年前の世界観を損ねることなく、更に情緒的だ。極めて情緒的だ。「奇跡を見たことがないからだ。」作中で出て来たキーワードが胸に沁みる。そして作中でも折に触れてだし、その後の実生
(ここなつ映画レビュー 2017/12/01 5:22 PM)

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