映画のメモ帳+α

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エル ELLE

エル ELLE (2016 フランス)

エル ELLE原題   ELLE
監督   ポール・ヴァーホーヴェン
原作   フィリップ・ディジャン
脚本   デヴィッド・バーク
撮影   ステファーヌ・フォンテーヌ
音楽   アン・ダッドリー
出演   イザベル・ユペール ロラン・ラフィット アンヌ・コンシニ
     シャルル・ベルリング ヴィルジニー・エフィラ ジュディット・マーレ
     クリスチャン・ベルケル ジョナ・ブロケ アリス・イザーズ
     ヴィマーラ・ポンス アルチュール・マゼ ラファエル・ラングレ
     リュカ・プリゾ

第89回(2016年)アカデミー賞主演女優賞(イザベル・ユペール)ノミネート



ゲーム会社の社長ミシェルはある日、自宅で覆面男にレイプされる。その後も嫌がらせが続き、犯人は身近にいることを確信するが、警察に届けることもなく犯人捜しを続ける。母や息子、服役中の父、愛人、親友など様々な人間関係にもまれながら、何があっても被害者ぶらず感傷的にならず日常に舞い戻るミシェル。やがてレイプ犯をつきとめ逆に追い詰めていく。タイトルのELLE(彼女)が示すとおり、現実にはありえないと言ってよいヒロインのキャラクターの特異性が映画全体を支配する。レイプによる暴力、犯人捜しのミステリー、周囲の人々とのドラマが違和感なく、作品の中で包み込まれているのはお見事。先が読めない物語、滅茶苦茶面白い!
☆☆☆☆
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 ポール・ヴァーホーヴェン監督は当初、本作をハリウッドで作るつもりだった。ヒロイン候補の筆頭はニコール・キッドマン。他、ダイアン・レイン、シャロン・ストーン、ジュリアン・ムーア、マリオン・コティヤール、シャーリーズ・セロン、カリス・ファン・ハウテンらが候補にあがったが皆に断られた。アメリカ人女優としては唯一ジェニファー・ジェイソン・リーが興味を示したが、「演技力や適性は申し分ないが、もう少し有名な女優がほしい」として見送られた。(彼女なら絶対上手く演じただろうな)

でも、災い転じて福となった!?フランスの大女優イザベル・ユペールが名乗りをあげたことで、撮影はハリウッドではなく、フランスで行われることになった。イザベル・ユペールの演技は圧巻。意志が強すぎる?ヒロイン像(息子にだけは甘いですが...)も彼女の演技も映画史に残るレベル。ポール・ヴァーホーヴェンがミヒャエル・ハネケ監督以上に、イザベル・ユペールの演技力を引き出したなんて!といっても、この2人、役柄についての話し合いは全くしていないらしい。

ポール・ヴァーホーヴェン監督は次のように語っている。
「実際、イザベルと僕は一切、様々な状況の心理状態について話し合わなかった。それは理解する必要がないから。それこそまさにアートの持つミステリーだ。すべてが明かされていない方が面白いものが出来る。私は、歳を重ねるごとにすべてに答えを与える必要はないと思うようになってきた。ただ、観客がそこに自分のなにかを投影できる余白を作ることは重要だ。人生の本質なんて我々には理解し得ないものなんじゃないかな」
いいこといいますね、『氷の微笑』や『ショーガール』の監督とはとても思えませんわ(笑)

 参照 『氷の微笑』監督の最新作『エル ELLE』 米国人女優が主演を拒絶した理由

結果的に、フランスで撮影したことで映画のクオリティは格段にあがった!イザベル・ユペールの存在感も大きい。やっぱりフランスの大女優様はハリウッドのスター女優とは肝のはいり方が違うんですね。成功した作品において、キャスティングは"結局、落ち着くべきところに落ち着く"。本作はその好例でしょう。それにしてもアカデミー賞、何でエマ・ストーンがイザベル・ユペールに勝てたのかわからぬ。演技力は雲泥の差なのに!まあ、アカデミー賞はしょせん、ハリウッド、アメリカの賞ですからね。アメリカ女優が誰も引き受けたがらなかった役にアカデミー賞なんかあげません。型にはまらない物語展開、イザベル・ユペールの恐ろしすぎる演技、いや〜、本当面白かった!個人的には今年のNo.1筆頭候補ですね、不覚にも。かわいい猫ちゃんも出てくるし(笑)

フランスの大女優様がゴールデン・グローブ賞ごときでこんなに喜ぶなんて...

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2017.11.21 Tuesday | 21:29 | - | - | - |

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「ELLE」
イザベル・ユペールが凄い。どう凄いかというと、どうもこうもなく凄い。それでは身も蓋も無いのでこう言おう。強い女…だがしかし常に芯の部分では孤独にしか生きられなかった、強い女の業の表現が絶妙である。壮絶な過去を持ち、ほろ苦い結婚生活を経て、今は独り身。
(ここなつ映画レビュー 2017/09/21 1:22 PM)

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