映画のメモ帳+α

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フェンス

フェンス (2016 アメリカ)

フェンス(2016)原題   FENCES
監督   デンゼル・ワシントン
原作戯曲 オーガスト・ウィルソン
脚色   オーガスト・ウィルソン
撮影   シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
音楽   マーセロ・ザーヴォス
出演   デンゼル・ワシントン ヴィオラ・デイヴィス
     スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン ジョヴァン・アデポ
     ラッセル・ホーンズビー ミケルティ・ウィリアムソン サナイヤ・シドニー

(日本劇場未公開)

第89回(2016年)アカデミー賞助演女優賞(ヴィオラ・デイヴィス)受賞。作品、主演男優(デンゼル・ワシントン)、脚色賞ノミネート



1950年代ピッツバーグ。ごみ収集作業員トロイは、才能がありながらメジャーリーグ入りが叶わなかったことを根に持ち、夢を追う2人の息子に"黒人だから活躍できない"と支援を拒む。戦争で精神をやられた兄の奇行にも悩まされていた。また、自身も秘密を抱えており、それを妻に打ち明けるが...。オーガスト・ウィルソンのピューリッツァー賞戯曲の映画化。対外的には"人に好かれているかより正当に扱われているか”を気にする一方、家庭では"何を与えたかばかり気にして、もらっているものに気づかない"主人公は共感しづらい人物。何のために作っているかわからぬフェンス。登場人物が乗り越えるべき”社会と心の壁”を象徴している。
☆☆☆★★★
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 日本において本作が劇場公開されず、DVDスルーとなったことに驚いた。

・まず、大前提として"黒人映画は日本でヒットしない"という思い込みがあることは否定できない。
(こういうのがあるから第88回(2015年)アカデミー賞で話題となった"白すぎるオスカー"問題が解決しないんですね。映画会社は"白人主演のほうが海外でウケがいい"と思っているから、黒人その他のマイノリティーを起用しない"。そして、"海外"のひとつ日本も同じ考えで劇場公開しない...)
・しかも、監督・主演はデンゼル・ワシントン!日本でも十分な知名度を持つトップスター。彼でダメなら他の人は...
・さらに、本作はアカデミー賞において作品賞をはじめ4部門にノミネート。助演女優賞で受賞をはたしている。

大スター、デンゼル・ワシントン主演、作品も高い評価を受けている...
これだけの好条件を持って劇場公開だめなら、今後、黒人映画はみんなDVDスルーじゃん!?
デンゼル・ワシントンとヴィオラ・デイヴィス、現存する黒人俳優TOPの2人が共演しているんですよ!

とはいっても、本作がDVDスルーになった理由は比較的容易に推測がつく。
・1950年代の黒人の厳しい生活環境を描いた本作は日本人にはわかりにくい。(家族の物語として十分アピールできる内容ですけどね)
・あまりに舞台チックな仕上がりで、商業的成功が望みにくい。(2人の名優の演技、研ぎ澄まされた台詞...見どころはたくさんあります。)
・日本との戦争での傷が原因で精神をやられてしまった兄(弟?英語ではbrotherだけだからどっちかわからないんだよね)の描写は××××から××的とやり玉にあがる可能性がある。

『フェンス』が日本でDVDスルーとなったことについて所見を書き連ねると、それだけで記事ひとつ分になってしまいそうなのでほどほどにしておくが、筆者は"ミニシアター全盛期"に映画をたくさんみて育った。今思うと"よくこの作品を劇場公開してくれた"と思うことが多々ある。
当時"日本(正確にいうと東京と言い換えたほうが良いが...)はハリウッド映画だけでなく、世界中の映画を比較的満遍なくみることができる。映画ファンには最高の国"と評されていたのも目にしたことがある。今、そんなこと言う人は誰もいないでしょう。
20年前だったら、『フェンス』が劇場公開されないなんてありえなかったと思う。元々は大手パラマウント社の配給だから、日本でもミニシアターで公開とはいかないのかもしれないけど、せめて小規模公開でも...。

もちろん、映画はビジネスである。だが、芸術作品でもある以上、"優れた作品であれば(たとえ興行的苦戦が予想されても)ちゃんと劇場で公開する" 映画配給会社からそういう気概を感じることが昨今めっきり少なくなったのは残念。今の日本の映画会社は映画を"コンテンツ"としか見做していないのかな...。

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2017.09.24 Sunday | 01:18 | - | - | - |

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