映画のメモ帳+α

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高慢と偏見とゾンビ

高慢と偏見とゾンビ(2016 アメリカ)

高慢と偏見とゾンビ(2016)原題   PRIDE + PREJUDICE + ZOMBIES
監督   バー・スティアーズ
原作   ジェーン・オースティン セス・グレアム=スミス
脚本   バー・スティアーズ
撮影   レミ・アデファラシン
音楽   フェルナンド・ベラスケス
出演   リリー・ジェームズ サム・ライリー ジャック・ヒューストン
      ベラ・ヒースコート ダグラス・ブース マット・スミス
      チャールズ・ダンス レナ・ヘディ エリー・バンバー
      ミリー・ブレイディ スーキー・ウォーターハウス サリー・フィリップス
      エマ・グリーンウェル エヴァ・ベル アシュリング・ロフタス

マッシュアップという言葉を聞いたことがあるだろうか?もともとは音楽用語で"2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は伴奏トラックを取り出してそれらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法"(wikipedhia参照)だそうだが、それを文学の世界で試みた強者がセス・グレアム=スミス。後に『ダーク・シャドウ』(2012)、『リンカーン/秘密の書 』(2012)など映画の脚本も手掛けるようになる彼が2009年『高慢と偏見とゾンビ』を発刊。ジェーン・オースティンの名作小説『高慢と偏見』の随所に"ゾンビ退治"を盛り込むという奇抜な発想が受け、全米でベストセラーとなった。本作はその映画化。"ロマンス+アクション+ホラー"、一粒で3つおいしいを目指したつくりだがはたして....。



マッシュアップを文学に...? 上記説明だけではピンとこない方が大部分でしょう。
小説『高慢と偏見とゾンビ』はジェーン・オースティンの原作をほぼそのまま引用し、ところどころゾンビアクションにすりかえるつくり。その面白さは原作を熟知、極端な話、原作を横において読み比べてみてはじめてわかる代物らしいです。パロディとも違うし、本来の音楽用語であるマッシュアップとも微妙に意味が異なる。名作を部分的に改変しましたといったところでしょうか。小説もセス・グレアム=スミスの単独名義ではなく、ジェーン・オースティンも共作者?として名を連ねています。

物語は小説『高慢と偏見』をベースにするが、謎のウィルスが蔓延し、感染者はゾンビとなり人々を襲っているという設定を追加している。そのため、ベネット家の5人姉妹が裕福な男性との結婚を夢見る一方で、カンフーや剣術の修業に励みゾンビとの闘いに備えていた。やがて、ゾンビと人間との最終戦争がはじまり...

うーん、映画版も『高慢と偏見』の物語を前もって知っていないと楽しむのはキツイ。
かつ、文学と違って、映画には明確な"基盤"がないため、さらに面白さが伝わりにくい
ダーシーがエリザベスに告白した後のバトルは面白かったけど。
時折、挿入されるゾンビとの格闘場面も唐突な印象強し。
それにしても、橋を爆破する場面、もうちょっとドラマチックに描いてもよかったんじゃないの?
ここ、盛り上げるところだろ!何、このあっさりした感じ...笑っちゃいました。

ゾンビ描写は比較的、オーソドックスでよかったけど、ゾンビになる寸前でとどまっている人間といった設定に疑問。特にラスト...。どうしてもロマンス主体となる物語にゾンビ、ホラー映画のエッセンスを組み込んだつもりなんでしょうが、違和感だけが残った。あとウィカム役、もう少し魅力的な俳優を使えなかったのかな。この役は色男という設定だったはず。ウィカムが最初から悪役っぽいと物語の色合いが変わってしまう。コリンスのほうがマシにみえるのはヤバイ。

本作には"これまでと違うゾンビ映画"としてかすかな期待をしていましたが...まあ、ゾンビは予想通り添え物。全然怖くなかったし、ゾンビ映画史に新たな1ページを刻む作品とはなりえませんでした。試みとしては興味深いですけどね。

キャスト的にはエリザベスにリリー・ジェームズ、ダーシーにサム・ライリーと注目の若手俳優2人が主演なのである種の安定感はある。ダーシーがたいして高慢に見えず、エリザベスもさほど偏見を抱いているように思えないのはご愛敬?他のキャストの印象が薄すぎるのが難。アカデミー賞級の女優をずらりと並べた『プライドと偏見』(2005)と比べるとね...比べること自体間違いかもしれませんが。

ベストセラーの映画化とあってそれなりにお金がかかっているので、B級感はない。主体はロマンスで、アクション、ゾンビは付け足しなので、恋愛ものが好きな人ならそれなりに満足するかも。この物語では誰が手掛けても中途半端な内容になるでしょうしね。

『高慢と偏見とゾンビ』、映画としてはそこそこ(途中、眠くなる箇所も...)ですが、個人的に、この手のカオスは決して嫌いでない。カルト映画とは少しニュアンスが違う気もしますが、珍しいモノを見た、という奇妙な満足感はある。

本作のような"マッシュアップ"的手法、映画にはなじまないし、この手法で傑作が生まれることはまずないと思います。もし映画でこれをやるなら、まずオリジナルを先に公開して、同じ監督、スタッフ、キャストで"改変部分"を付け加えて再度映画化するしかないでしょうけど、そんな面倒くさいこと誰がやる!?
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2016.10.02 Sunday | 00:06 | ゾンビ映画 | comments(2) | trackbacks(0) |

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2017.05.25 Thursday | 00:06 | - | - | - |

コメント

やっと市内で公開されました!昨日観てきました。
ゾンビがちっとも怖くない〜。楽しいゾンビ映画でした。

キャスティングはよかったと思いますが、ダーシーの声が(マシュー・マクファデンに較べると)、残念すぎ。
ウィカム役は、途中から有田哲平にしか見えなくなり、いつゾンビ顔になるかと期待したのですが…(笑)。

レディ・キャサリン・ド・バーグは中途半端。山高帽の4人?も必要なかった気がします。
ハエをもっと生かしてほしかったし、ジェイン・ベネットには最後まで目の下にクマがあり、エリザベスが母親に指をかじられたので、何かあるのではと期待したのですが何もなく。
ラストシーンは不要でした。

『プライドと偏見』、『高慢と偏見』(コリン・ファース版)と、やはり比べてしまい、恋愛映画としての満足度も低し。

突っ込みどころはいっぱいあるのに、それでも、観終わって、なんだか楽しい気分になりました。

日曜日だったこともあってか、それなりに観ている人がいました。ゾンビコメディって以外にニーズがあるのかもしれません。
2016/11/28 9:14 AM by パール
パールさん、こんばんわ
ついに観たんですね!

ダーシーの声がしゃがれすぎも気になったのですが
やっぱりね、ウィカム役があれじゃあね...。

ゾンビがもう少し活躍してくれないと
メリハリがないなあと思ったり。

でも、こんな映画は2度と現れないかもしれないので
珍しいものを観たという満足感はあります。(笑)

>ゾンビコメディって以外にニーズがあるのかもしれません。

あるんでしょうか、ね。
最近、"恋するゾンビ"とかその類のものが多くて、個人的にはウンザリ。

「ゾンビランド」なんて糞つまらん映画がウケたりしているし。
100%ホラーはいやだけど、ちょっとホラーが入った作品なら見てみたいという人が
結構いるのかも。

個人的にはゾンビものののコメディはよほど上手くやらないと目もあてられない、と。
「ブレインデッド」が最高峰で
(いい意味で)B級感の集大成「死霊のしたたり」
近未来社会派映画テイストの「ゾンビーノ」
この3本を超えるゾンビコメディはそーそー出ないかと。

あと、「ON AIR オンエア 脳・内・感・染」も(コメディじゃないんだけど)コメディチックに楽しみました。

やっぱりゾンビをコメディの題材で使うとなると、ブラックユーモア色が強くないと(+グロさ)ダメじゃないかと
思うんですよね。でも、こういう考え方って少数派なのかな。
2016/11/28 8:59 PM by moviepad

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