映画のメモ帳+α

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ストレイト・ストーリー

ストレイト・ストーリー(1999 アメリカ)

ストレイト・ストーリー(1999)原題   THE STRAIGHT STORY
監督   デヴィッド・リンチ
脚本   ジョン・ローチ メアリー・スウィーニー
撮影   フレディ・フランシス
音楽   アンジェロ・バダラメンティ
出演   リチャード・ファーンズワース シシー・スペイセク
      ハリー・ディーン・スタントン ジェームズ・カダー
      ウィリー・ハーカー エヴェレット・マッギル ダン・フラナリー

第72回(1999年)アカデミー賞主演男優賞(リチャード・ファーンズワース)ノミネート



73歳のアルヴィンは、10年以上疎遠だった兄ライルが倒れたという知らせを受ける。アルヴィンは兄に会うため、時速8kgのトラクターでアイオワ州から560km離れたヴィスコンシン州に6週間かけて旅をする。1994年NYタイムズに掲載された実話を基にした物語。鬼才デヴィット・リンチが、直球ドラマを撮ったことが話題になる。いわゆるロード・ムービー。風景は単調。出会う人も皆いい人。起伏の少ない作品だが、トラクターをゆったりと走らせるリチャード・ファーンズワースを映し出すだけで映画として満たされている。ラスト、兄がとめてあるトラクターを見て「あれに乗って俺に会いに来たのか」と涙をためながらいう場面が良い。
☆☆☆☆
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 印象的だったエピソード。

・車通勤をしている中年女性。「また鹿を轢いてしまった。これで13匹めよ。私は鹿が好きなのに!」とわめきちらす。そのくせ、轢いた鹿を置き去りにして立ち去る。アルヴィンはその鹿を焼いて食べる。鹿に見守られながら(剥製?)いつもウインナーしか食べていないアルヴィンには鹿はごちそうである。

・サイクリングをする若者の集団との会話
「年をとって良いことは?」「特にないが経験は積むからな。身と殻の区別がつき、細かいことが気にならなくなる。」
「年をとって困ったことは?」「若い頃を覚えていることだ。(戦争体験について)今でも仲間の顔が思い浮かぶ。彼らhみな若いままだ。ドイツ兵の顔まで浮かぶ」

星だの夕陽だのが何度も映し出される。一歩間違えればクサくなるのだが、ストーリーのゆるやかな流れに混じると全く気にならない不思議。

 リチャード・ファーンズワースは西部劇を中心にキャリアをつんできたベテラン俳優。近作の中では『ミザリー』(1990)の穏やかな保安官役が有名。澄んだ瞳が印象的で、デヴィット・リンチ監督をして「この役のために生まれてきた役者」と言わしめ、79歳にして アカデミー主演男優賞にノミネートされた。ファーンズワースは杖をついて授賞式に出席。個人的に彼の受賞を強く願っていたが、残念ながらかなわず。翌2000年、ファーンズワースは末期ガンを苦に拳銃自殺を図った。
2016.10.31 Monday | 00:06 | 映画300字レビュー | comments(0) | - |

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