映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※コメントは承認制とさせていただいております

私は死にたくない

私は死にたくない (1958 アメリカ)

私は死にたくない(1958)原題   I WANT TO LIVE!
監督   ロバート・ワイズ
原作   バーバラ・グレアム エドワード・モンゴメリー
脚色   ネルソン・ギディング ドン・マンキウィッツ
撮影   ライオネル・リンドン
音楽   ジョニー・マンデル
出演   スーザン・ヘイワード サイモン・オークランド ヴァージニア・ヴィンセント
     セオドア・バイケル ウェズリー・ラウ ルー・クラグマン
     フィリップ・クーリッジ ジェリー・マリガン バートレット・ロビンソン

第31回(1958年)アカデミー賞主演女優賞(スーザン・ヘイワード)受賞。監督、脚色、編集、撮影賞(白黒)、音響賞ノミネート

私は死にたくない』は独り身の老婦人を殺した罪で共犯の男2人と共に逮捕されたが、一貫して無罪を主張し続けた実在の女性死刑囚バーバラ・グレアム(1923-1955)の手記をもとにした作品。死刑制度の是非を問いかける内容で、監督はロバート・ワイズ。バーバラ・グレアムを演じたスーザン・ヘイワードは、アカデミー主演女優賞にこれまで4回候補にあがっていましたが受賞なし。"アカデミー賞をとることを目標"に仕事をしてきた彼女は、”この役ならオスカーがとれる!"とバーバラ役に飛びつき、見事受賞。スーザン・ヘイワードは演技が上手いというよりは、熱演タイプの美人女優。バーバラ役は彼女の資質が存分にいかされていた。冒頭にジェリー・マリガン、アート・ファーマーなどの人気jazzプレイヤーが登場。ハリウッドがはじめて映画音楽としてJazzを起用した作品とも称されている。

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2017.12.29 Friday | 20:04 | Jazz映画 | comments(0) | - |

セッション

セッション(2014 アメリカ)

セッション(2014)原題   WHIPLASH
監督   デイミアン・チャゼル
脚本   デイミアン・チャゼル
撮影   シャロン・メール
編集   トム・クロス
音楽   ジャスティン・ハーウィッツ
音楽監修 アンディ・ロス
出演   マイルズ・テラー J・K・シモンズ ポール・ライザー
      メリッサ・ブノワ オースティン・ストウェル ネイト・ラング
      クリス・マルケイ デイモン・ガプトン スアンヌ・スポーク マックス・カッシュ
      チャーリー・イアン ジェイソン・ブレア カヴィタ・パティル
      

第87回(2014年)アカデミー賞助演男優(J・K・シモンズ)、編集、音響効果賞受賞。作品、脚色賞ノミネート

うーむ、この映画をどう語ればよいのだろう。アカデミー賞作品賞ノミネート、3部門受賞らしい『セッション』である。ジャズドラマーを目指して有名音楽学校に入った19歳の青年が鬼教師にしごかれて、という物語。ドラマーが主役なので音楽はたっぷり聞けるが、Jazz映画はおろか音楽映画ともいいがたい。脚本もアカデミー賞にノミネートされるなど評価は高いようであるが、よ〜く考えると突っ込みどころ満載で説得力にかける描写が多い。じゃあ、この映画はダメダメかというと...無茶苦茶面白い。だから困っているのだ。

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2015.04.19 Sunday | 01:00 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(8) |

五線譜のラブレター DE-LOVELY

五線譜のラブレター DE-LOVELY(2004 アメリカ)

五線譜のラブレター DE-LOVELY原題   DE-LOVELY
監督   アーウィン・ウィンクラー
脚本   ジェイ・コックス
撮影   トニー・ピアース=ロバーツ
作詞作曲 コール・ポーター
出演   ケヴィン・クライン アシュレイ・ジャッド
      ジョナサン・プライス ケヴィン・マクナリー
      サンドラ・ネルソン アラン・コーデュナー
      ピーター・ポリカープー キース・アレン
      ジェームズ・ウィルビー ケヴィン・マクキッド

五線譜のラブレター DE-LOVELY』は人気作曲家コール・ポーターの半生を妻リンダとの関係を軸に描いた伝記映画である。コールの伝記映画といえば既にケーリー・グラント主演『夜も昼も』(1946)があるが、当時、コールが同性愛者であることをまだ描くことができなかったため、リンダとの関係を含め事実関係ガタガタ、ほぼフィクションと言える仕上がりであったが、本作ではコールの同性愛ぶりをきっちり描いている。また、コールのヒット曲をロビー・ウィリアムズ、エルヴィス・コステロ、シュリル・クロウ、ナタリー・コール、ダイアナ・クラークらの人気歌手が登場して歌うことでも話題を集めた。

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2015.03.27 Friday | 19:41 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

レッツ・ゲット・ロスト

レッツ・ゲット・ロスト(1988 アメリカ)

レッツ・ゲット・ロスト(1988)原題   LET'S GET LOST
監督   ブルース・ウェーバー
撮影   ジェフ・プライス
編集   アンジェロ・コラオ
出演   チェット・ベイカー ルース・ヤング
      ウィリアム・クラストン リサ・マリー

第61回(1988年)アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート


「男なのになんて気だるい歌い方をするんだろう」チェット・ベイカーの歌う"My Funny Valentine"は強烈だった。ジェームズ・ディーンをほうふつさえるビジュアルにもひかれ、かの有名な"Chet Baker Sings"を衝動買いしたのを覚えている。言うまでもなくチェット・ベイカーはトランペッターであり、歌はあくまで余技なのだがジャズに関心のない人にとっては歌手チェット・ベイカーのほうがなじみが深いかもしれない。そんなチェットの晩年の姿を描いたドキュメンタリー映画が『レッツ・ゲット・ロスト』。監督は男性ヌード写真で有名となった写真家のブルース・ウェーバー。作品は高い評価を受け、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされている。

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2015.03.27 Friday | 19:38 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

ジャズメン

ジャズメン(1983 ソ連)

ジャズメン(1983)原題   МЫ ИЗ ДЖАЗА
監督   カレン・シャフナザーロフ
脚本   アレクサンドル・ボロジャンスキー カレン・シャフナザーロフ
撮影   ウラジミール・シェフツィク
音楽   アナトリー・クロール
出演   イーゴリ・スクリャール ニコライ・アヴェリュシキン
      アレクサンドル・パムスラートフ=チョールヌイ エレーナ・ツィプラコワ
      ピョートル・シチェルバコフ ラリーサ・ドリーナ  エフゲニー・エフスチグネーフ

ジャズの映画が見たい!おすすめは?と聞かれるとちと困ります。自分の知る限りジャズ映画の傑作はかなり少ないのです。ドキュメンタリー映画だと『真夏の夜のジャズ』(1959)などいくつかあげられますが、劇映画となると『5つの銅貨』(1959)と『ラウンド・ミッドナイト』(1986)くらい?実在ミュージシャンに特化しているものはjazzファンなら楽しめるのですが、登場人物がジャズミュージシャンという設定にすぎないフィクション映画に良いものがない。『ニューヨーク・ニューヨーク』(1977)とか『恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989)...ああ、ダメダメダメ、『ニューヨーク〜』に至ってはスコセッシの最高駄作(笑)。というわけで"ジャズっぽい雰囲気を漂わせている、肩の力をぬいて見ることができる楽しい映画"を教えてほしいと言われたら、少し変化球を投げてこの『ジャズメン』をおすすめします。何とソ連製jazz映画。他愛のない物語ですが、テンポもよく気楽に観ることができる良作です。

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2015.03.27 Friday | 19:37 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

スウィング・キッズ

スウィング・キッズ(1993 アメリカ)

スウィング・キッズ 1993原題   SWING KIDS
監督   トーマス・カーター
脚本   ジョナサン・マーク・フェルドマン
撮影   ジャージー・ジーリンスキー
音楽   ジェームズ・ホーナー
出演   ロバート・ショーン・レナード クリスチャン・ベイル
      フランク・ホエーリー バーバラ・ハーシー
      トゥシュカ・バージェン ジェイス・バルトーク
      デヴィッド・トム ジュリア・ステンバーガー ノア・ワイリー
      ジェシカ・スティーヴンソン ケネス・ブラナー(クレジットなし)

(DVDタイトル)スウィング・キッズ -引き裂かれた青春-

自分は"泣ける映画"なんて言い回しがひどく苦手で、映画を観てもあまり泣かない。劇場で、まわりが皆鼻水をすすっていても、ひとり茫然としているタイプだ。そんな自分が周りよりもはるかに泣いていた映画が『スウィング・キッズ』。スウィング・キッズとは1930年代のドイツに実在した、アメリカやイギリスのファッションやスウィング・ジャズを好み、ナチズムとくにヒトラーユーゲントを嫌悪した、いわば"敵のライフスタイルに憧れていた"青年たちの総称。映画はその史実を題材としてスウィング・ジャズに熱狂する若者を描いている。

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2014.10.14 Tuesday | 00:07 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

世紀の楽団

世紀の楽団(1938 アメリカ)

世紀の楽団原題   ALEXANDER'S RAGTIME BAND
監督   ヘンリー・キング
原案   アーヴィング・バーリン
脚本   キャスリン・スコラ ラマー・トロッティ
撮影   ペヴァレル・マーレイ
作詞作曲 アーヴィング・バーリン
音楽   アルフレッド・ニューマン
出演   アリス・フェイ タイロン・パワー
      ドン・アメチー エセル・マーマン
      ジャック・ヘイリー ジーン・ハーショルト
      ヘレン・ウェストリー ジョン・キャラダイン


第11回(1938年)アカデミー賞作曲・編曲賞受賞。脚本賞(原案)、編集、室内装置、歌曲賞("Now It Can Be Told")ノミネート

1938年にアメリカで公開された映画『世紀の楽団』は、人気作曲家アーヴィング・バーリンが原案と作詞・作曲を手掛けた作品。ラグタイムが人気を博した20世紀初頭から1930年代のスウィングの隆盛までジャズ音楽(軽音楽、ポピュラー音楽といったほうが正確かもしれない)の歴史をたどった内容。バーリンの"軽音楽史を映像化したい"という意図を反映させている。といっても使われている曲は1911年から1935年頃までのアーヴィング・バーリンの曲が20曲超。俺が軽音楽史そのものだ!ってことなんでしょう。(爆)

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2014.10.02 Thursday | 00:17 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実

ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実(1972 アメリカ)

ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実原題   LADY SINGS THE BLUES
監督   シドニー・J・フューリー
原作   ビリー・ホリデイ ウィリアム・ダフティ
脚本   テレンス・マックロイ クリス・クラーク スザンヌ・ド・パッシー
撮影   ジョン・A・アロンゾ
音楽   ミシェル・ルグラン ギル・アスキー
出演   ダイアナ・ロス ビリー・ディー・ウィリアムズ
      ジェームズ・キャラハン ポール・ハンプトン
      リチャード・プライアー ヴァージニア・ケイパーズ
      スキャットマン・クローザース

第45回(1972年)アカデミー賞主演女優(ダイアナ・ロス)、脚本、ミュージカル映画音楽、美術、衣装デザイン賞ノミネート

ビリー・ホリディ...JAZZボーカルと言えば真っ先にこの女性の名を思い浮かべる人も多い。もちろんサラ・ヴォーンやエラ・フィッツジェラルドなどの名をあげる人もいるだろう。なぜこんなことを書くかというと、自分がJAZZにまったく興味がなかった頃、知っていた名前がビリー・ホリディだけだったからだ。歌を聞いたこともないのに名前だけは知っていた。洋楽記事の中によくビリー・ホリディの名前が出てきていたので。

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2014.09.21 Sunday | 02:21 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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