映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

メッセージ

メッセージ (2016 アメリカ)

メッセージ(2016)原題   ARRIVAL
監督   ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作   テッド・チャン 『あなたの人生の物語』
脚本   エリック・ハイセラー
撮影   ブラッドフォード・ヤング
音楽   ヨハン・ヨハンソン
出演   エイミー・アダムス ジェレミー・レナー フォレスト・ウィテカー
     マイケル・スタールバーグ マーク・オブライエン ツィ・マー

第89回(2016年)アカデミー賞音響編集賞受賞。作品、監督、脚色、編集、撮影、美術、録音賞ノミネート

テッド・チャン
は独自の存在感をはなつSF作家だ。専業作家ではなく、本業はテクニカル・ライター。きわめて寡作であり25年以上の活動期間で発表作品は短編、中編のみの20作弱で長編はひとつもない。にもかかわらず、その作品の半数以上はネピュラ賞、ヒューゴー賞など多くの賞を獲得している。そんなテッド・チャン作品の中でも代表作と言われる『あなたの人生の物語』 (Story of Your life 1998)の映画化が『メッセージ』。突然宇宙からやってきた飛行物体。来訪目的を調べるため奮闘する女性言語学者の姿を描くという、SFとしては地味な設定にもかかわらず興行、批評ともに成功。SF映画に厳しいアカデミー賞にも作品、監督賞など8部門にノミネートされた。

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2017.05.20 Saturday | 20:30 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

沈黙 -サイレンス-

沈黙 -サイレンス- (2016 アメリカ)

沈黙 -サイレンス-(2016)原題   SILENCE
監督   マーティン・スコセッシ
原作   遠藤周作 『沈黙』(新潮文庫刊)
脚本   ジェイ・コックス マーティン・スコセッシ
撮影   ロドリゴ・プリエト
音楽   キム・アレン・クルーゲ キャスリン・クルーゲ
出演   アンドリュー・ガーフィールド アダム・ドライヴァー 浅野忠信
     キアラン・ハインズ 窪塚洋介 笈田ヨシ 塚本晋也
     イッセー尾形 小松菜奈 加瀬亮 リーアム・ニーソン

第89回(2016年)アカデミー賞撮影賞ノミネート

作家の遠藤周作氏は日本人とキリスト教の関わりを探索することをライフワークとしていた。1966年に発表した『沈黙』は、島原の乱が鎮圧されたあと、キリシタン弾圧の最中、布教のため日本に潜入したポルトガル司祭ロドリコが日本人信徒たちに加えられる残虐極まりない拷問、そして殉教していく姿をみて苦悩する姿を描いた作品。"神の沈黙"という究極のテーマを描いた本作は大変な反響を呼び、世界20カ国以上で翻訳され、戦後日本文学の代表的作品としての地位を確固たるものとする。万人に受け入れられるタイプの小説ではないが、教科書に掲載されたり読書感想文コンクールの課題として取り上げられることも多いため一読したことのある人は多いだろう。その『沈黙』の映画化が『沈黙 -サイレンス-』である。アメリカ映画界の巨匠マーティン・スコセッシ監督渾身の企画として早くから知られていたが、『沈黙』発刊から50周年の2016年、ようやく劇場公開された。

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2017.02.13 Monday | 02:38 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

クンドゥン

クンドゥン (1997 アメリカ)

クンドゥン(1997)原題   KUNDUN
監督   マーティン・スコセッシ
脚本   メリッサ・マシスン
撮影   ロジャー・ディーキンス
美術   ダンテ・フェレッティ
音楽   フィリップ・グラス
出演   テンジン・トゥタブ・ツァロン ギュルメ・テトン
     トゥルク・ジャムヤン・クンガ・テンジン テンチョー・ギャルポ

第70回(1997年)アカデミー賞撮影、音楽(オリジナルドラマ)、美術、衣装デザイン(カラー)賞ノミネート

チベット仏教の特色としてラマと呼ばれる高僧の存在がある。ラマを尊崇し、その教えはラマから弟子へと伝えられる。ラマが死ぬと、その生まれ変わりを幼児から探し出し、その地位を継承させる「活仏転生」という考え方があり、ダライ・ラマは観音菩薩(衆生の声を聞き,その求めに応じて救いの手をさしのべる慈愛と優しさの象徴)の生まれ変わりとみなされている。 マーティン・スコセッシ監督の映画『クンドぅン』はダライ・ラマ14世の半生を描いた作品。1937年、2歳で発見され、4歳で即位。成長しチベット独立をめぐって中国と争う中、固辞していた亡命を24歳でついに受け入れるまでをたどっています。

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2017.02.09 Thursday | 20:25 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

マン・オン・ザ・ムーン

マン・オン・ザ・ムーン(1999 アメリカ)

マン・オン・ザ・ムーン(1999)原題   MAN ON THE MOON
監督   ミロス・フォアマン
脚本   スコット・アレクサンダー ラリー・カラゼウスキー
撮影   アナスタス・N・ミコス
音楽   R.E.M.
出演   ジム・キャリー ダニー・デヴィート コートニー・ラヴ
      ポール・ジアマッティ ヴィンセント・スキャヴェリ ピーター・ボナーズ
      ジェリー・ベッカー レスリー・ライルズ マリル・ヘナー
      レイコ・エイルスワース マイケル・ケリー リチャード・ベルザー

第50回(2000年)ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)

ジム・キャリーはもちろん、ロビン・ウイリアムズ、ジェイ・レノ....多くのコメディアンに影響を与えてきた伝説のコメディアン、アンディ・カウフマン。1984年、肺がんのため35歳という若さで亡くなった。死の直前まで病名をあかすことなくTV、舞台出演を続けていたため、病気はもちろんその死ですらたちの悪いジョークととらえられ、なかなか信じてもらえなかった。『マン・オン・ザ・ムーン』はアンディ・カウフマンの伝記映画。主演はジム・キャリー、、監督はアンディの大ファンだったという名匠ミロス・フォアマン、製作は生前のアンディと交流のあったダニー・デヴィート(シャピロ役としても出演)が務めた。タイトルはR.E.M.がアンディをモチーフに1992年の楽曲"Man On The Moon"からとられており、R.E.M.は本作の音楽も手掛けている。

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2016.10.18 Tuesday | 00:31 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

エクス・マキナ

エクス・マキナ(2015 イギリス)

エクス・マキナ(2015)原題   EX MACHINA
監督   アレックス・ガーランド
脚本   アレックス・ガーランド
撮影   ロブ・ハーディ
音楽   ベン・ソーリズブリー ジェフ・バーロウ
出演   ドーナル・グリーソン アリシア・ヴィキャンデル
      オスカー・アイザック ソノヤ・ミズノ

第88回(2015年)アカデミー賞視覚効果賞受賞。脚本賞ノミネート

エクス・マキナ』は米タイム誌が"2015年の映画第10位"に選ぶなど内容が高い評価を受け、2015年の映画賞をにぎわせたSF映画。特に顕著だったのが米アカデミー賞。1500万ドルという低予算映画ながら、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『オデッセイ』、『レヴェナント:蘇えりし者』といった超大作映画を押しのけて視覚効果賞を受賞している。"Ex Machina" winning the Oscar® for Visual Effects ちなみに"エクス・マキナ"とはラテン語のデウス・エクス・マキナに由来し"機械仕掛けの神"という意味。映画『エクス・マキナ』は女性型アンドロイドAva(エヴァ)と若い青年ケイレブの"恋愛実験"を通して、AIはどこまで人間に近づくことができるか、あるいは人間を凌駕してしまうのかを問いかけている作品だ。

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2016.07.02 Saturday | 20:03 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

L.A.コンフィデンシャル

L.A.コンフィデンシャル(1997 アメリカ)

L.A.コンフィデンシャル(1997)原題   L.A. CONFIDENTIAL
監督   カーティス・ハンソン
原作   ジェームズ・エルロイ
脚本   ブライアン・ヘルゲランド カーティス・ハンソン
撮影   ダンテ・スピノッティ
音楽   ジェリー・ゴールドスミス
出演   ラッセル・クロウ ガイ・ピアース ケヴィン・スペイシー
      ジェームズ・クロムウェル キム・ベイシンガー ダニー・デヴィート
      デヴィッド・ストラザーン ロン・リフキン マット・マッコイ
      ポール・ギルフォイル サイモン・ベイカー=デニー グレアム・ベッケル
      パオロ・セガンティ アンバー・スミス ブレンダ・バーキ

第70回(1997年)アカデミー賞助演女優(キム・ベイシンガー)、脚色賞受賞。作品、監督、編集、撮影、音楽(オリジナルドラマ)、美術、音響賞ノミネート

『タイタニック』さえなければ....おそらく、ジェームズ・エルロイ原作、カーティス・ハンソン監督の『L.A.コンフィデンシャル』はこの年のアカデミー作品賞を受賞していただろう。何しろ、1997年の映画賞レースにおいて作品賞をほぼ総ナメしていたからである。だが、満を持して年末に公開された『タイタニック』が記録的大ヒットとなり、本作の受賞は助演女優賞、脚色賞の2部門のみという地味な結果に終わった。ただ、面白いのはアメリカでの大絶賛をよそにヨーロッパでは比較的醒めた評価だったこと。アカデミー賞に先立ち、第50回(1997年)カンヌ国際映画祭にもコンペンション部門に選ばれていたのだが、たいして話題にもならず無冠に終わった。(この年のカンヌはお世辞にも豊作とは言えなかったのに...)作品評価に関してアメリカとヨーロッパの"温度"が微妙に違う。作品を見終われば、何となくその理由がわかる。そういう意味でも興味深い映画である。

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2016.06.20 Monday | 00:06 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

ラリー・フリント

ラリー・フリント(1996 アメリカ)

ラリー・フリント(1996)原題   THE PEOPLE VS. LARRY FLYNT
監督   ミロス・フォアマン
脚本   スコット・アレクサンダー ラリー・カラゼウスキー
撮影   フィリップ・ルースロ
音楽   トーマス・ニューマン
出演   ウディ・ハレルソン コートニー・ラヴ エドワード・ノートン
      ブレット・ハレルソン ドナ・ハノーヴァー ジェームズ・クロムウェル
      クリスピン・グローヴァー ヴィンセント・スキャヴェリ マイルズ・チャピン

第69回(1996年)アカデミー賞監督、主演男優賞(ウディ・ハレルソン)ノミネート。第47回(1997年)ベルリン国際映画祭金熊賞

ラリー・フリント』は1972年、性器を露出した過激な女性ヌードを掲載したポルノ雑誌「ハスラー」を創刊したラリー・フリントを描いた映画。作品情報を聞いたときからずっと愉しみにしていた。原作となるラリー・フリント本人の自叙伝(無茶苦茶面白い!)を半分ほど読んだ段階で劇場に見に行った記憶がある。監督は名匠ミロス・フォアマン。ウディ・ハレルソン、コートニー・ラヴの強烈な存在感もあり、"表現の自由"を問い、偽善を暴き立てる、見応えあふれる作品に仕上がっていた。

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2016.05.30 Monday | 00:09 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

スポットライト 世紀のスクープ

スポットライト 世紀のスクープ(2015 アメリカ)

スポットライト 世紀のスクープ原題   SPOTLIGHT
監督   トム・マッカーシー
脚本   ジョシュ・シンガー トム・マッカーシー
撮影   マサノブ・タカヤナギ
編集   トム・マカードル
音楽   ハワード・ショア
出演   マーク・ラファロ マイケル・キートン レイチェル・マクアダムス
      リーヴ・シュレイバー ジョン・スラッテリー ブライアン・ダーシー・ジェームズ
      ビリー・クラダップ スタンリー・トゥッチ ジェイミー・シェリダン
      モーリーン・キーラー ポール・ギルフォイル レン・キャリオー
      ニール・ハフ マイケル・シリル・クレイトン ローリー・ハイネマン ティム・プロゴシュ

第88回(2015年)アカデミー賞作品、脚本賞受賞。監督、助演男優(マーク・ラファロ)、助演女優(レイチェル・マクアダムス)、編集賞ノミネート。第82回(2015年) NY批評家協会賞男優賞(マイケル・キートン)

神様に"いたずら"され、pray(祈り)がprey(餌食)になってしまった。
2002年1月、アメリカの地方新聞「ボストン・グローブ」紙に掲載された記事は全米を騒然とさせた。ボストン地区の神父数十人が長年にわたって児童虐待を続けており、カトリック教会はその実態を把握しながらも組織ぐるみで隠ぺいを続けていたという内容だ。この報道をきっかけに世界中のカトリック教会で同様のことが起きていることが発覚。次々と訴訟が起こり、2010年3月28日、ロンドンで教皇ベネディクト16世の退位を要求する抗議デモが行われるまでとなった。ボストン・グローブ紙の報道は2003年にピューリッツァー賞(公益報道部門)を受賞している。そのボストン・グローブ紙の調査担当班「スポットライト」チームの根気強い取材の様子を描いた映画が『スポットライト 世紀のスクープ』。作品は高い評価を受け、第88回アカデミー賞で作品賞に輝いた。

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2016.04.16 Saturday | 01:19 | 映画 | comments(2) | trackbacks(8) |

キャロル

キャロル(2015 イギリス・アメリカ・フランス)

「キャロル」(2015)原題   CAROL
監督   トッド・ヘインズ
原作   パトリシア・ハイスミス『キャロル』
脚本   フィリス・ナジー
撮影   エド・ラックマン
衣装デザイン サンディ・パウエル
音楽   カーター・バーウェル
出演   ケイト・ブランシェット ルーニー・マーラ
      サラ・ポールソン ジェイク・レイシー カイル・チャンドラー
      ジョン・マガロ コーリー・マイケル・スミス ケヴィン・クローリー

第88回(2015年)アカデミー賞主演女優(ケイト・ブランシェット)、助演女優(ルーニー・マーラ)、脚色、撮影、作曲、衣装デザイン賞ノミネート。第68回(2015年)カンヌ国際映画祭女優賞(ルーニー・マーラ)

ミステリー作家パトリシア・ハイスミスの映画化作品と聞いて、まず思い浮かぶのがヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』(1951)とアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(1952)だろう。ともに名作として語り継がれている。特に『太陽がいっぱい』は日本公開時、かの淀川長治氏が"同性愛を描いている"と指摘し物議をかもした。この説、当時はほとんど受け入れられなかったらしいが、その後原作のパトリシア・ハイスミスが同性愛者であることが判明して信ぴょう性が高まり、今では"淀川氏は立派な評論家の仕事をした"という評価が定着している。そのパトリシア・ハイスミスがが長篇第1作『見知らぬ乗客』の発表前、クレア・モーガン名義で発表した作品が"The Price of Salt"。原作は同性愛者のあいだで話題を呼び、100万部を超えるベストセラーとなっている。これを鬼才トッド・ヘインズ監督のもと、ケイト・ブランシェットルーニー・マーラの2大女優で映画化したのが『キャロル』。求婚されて戸惑う百貨店員テレーズと離婚協議中の人妻キャロルの恋物語である。といっても同性愛色はさほど強くなく、"人が人に惹かれるのに理由などない"ことを映像からにじませる"純文学映画"といったほうがよい仕上がりとなっている。

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2016.02.15 Monday | 00:13 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

恋人たち (2015)

恋人たち(2015 日本)

恋人たち(2015)監督   橋口亮輔
脚本   橋口亮輔
撮影   上野彰吾
音楽   明星/Akeboshi
出演   篠原篤 成嶋瞳子 池田良
      安藤玉恵 黒田大輔 山中崇 内田慈 山中聡
      リリー・フランキー 木野花 光石研

第89回(2014年)キネマ旬報ベストテン第1位

日本映画界において、名前で観客が一番呼べる監督はひょっとすると橋口亮輔かもしれない。理由は単純明快。同性愛をカミングアウトした上での監督デビューという、日本では珍しいパターンというのもあるが、過去の長編4作はすべて監督本人が自分の経験を反映させたオリジナル脚本で、いずれも彼でないと撮れない題材、つまり替えのきかない人なのだ。観客は人気俳優の××が出ているからではなく橋口亮輔監督の作品だから映画館に足を運んでいる。そんな"one and only”橋口亮輔監督の7年ぶりの長編映画、それが『恋人たち』である。


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2015.12.10 Thursday | 00:07 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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