映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

第90回(2017年)アカデミー賞

第90回(2017年)アカデミー賞

第90回(2017年)アカデミー賞作品賞「シェイプ・オブ・ウォーター」第90回アカデミー賞trivia
〜セクハラ告発(#MeToo 運動)にゆれるハリウッド〜

2017年10月、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが若手女優や社員に対し、20年以上にわたってセクハラを繰り返していたことがニューヨーク・タイムズ誌に掲載された。これをきっかけにハリウッドではセクハラ告発が相次ぎ、性暴力被害者が名乗りを上げる #MeToo 運動が盛り上がった。この流れは映画賞レースにも影響を及ぼした。全米俳優組合賞授賞式ではプレゼンターはすべて女性がつとめ,ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞ではセクハラへの抗議の意味をこめて、女優は皆黒いドレスを着る光景が見られた。各授賞式において、受賞者は(余計なことを言ってアカデミー賞を逃さないように)無難なコメントに終始する、緊迫した雰囲気が漂っていたという。アカデミー賞授賞式でも影響が懸念されたが、#MeToo 運動を鼓舞していたTime’s Up(タイムズ・アップ)事務局はアカデミー賞授賞式においては黒ドレスの着用を求めないことを表明。そのかいあって?授賞式では思ったほどセクハラ問題に対する(直接的な)言及は多くなく、もしろ昨年の誤発表をネタに笑いをとって雰囲気をなごませようとしていた。昨年に引き続き、司会をつとめるジミー・ケンメルは「発表されてもすぐに席は立たないでくださいね。去年みたいなことがあったら大変」と言い放ち、短編アニメ賞のプレゼンターとして登場したマーク・ハミルは「(昨年間違って作品賞と発表された)『ラ・ラ・ランド』っていうなよ、『ラ・ラ・ランド』っていうなよ」と自分に言い聞かせながら封筒を開けた。そして作品賞のプレゼンターは昨年の誤発表コンビ、ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが"『俺たちに明日はない』公開51周年を記念して"という強烈な紹介のあと、再登場。ウォーレンは「皆さん、またお会いしましたね」とひょうひょうと語り、今回は"正しい結果"を発表した。

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2018.03.05 Monday | 20:17 | アカデミー賞の軌跡 | comments(2) | - |

第89回(2016年)アカデミー賞

第89回(2016年)アカデミー賞

第89回(2016年)作品賞「ムーンライト」第89回アカデミー賞trivia
〜前代未聞!作品賞発表後、「受賞したのは別の作品」と訂正入る〜

司会にジミー・キンメルを迎えた第89回アカデミー賞授賞式。トランプ政権後、初の授賞式、リベラル派が多いハリウッドとあって反トランプ発言が連発されると予想されていたが、大きな混乱もなく進行。受賞結果も下馬評どおりで作品賞発表までたどりついた。作品賞は13部門14ノミネート(14ノミネートは『イヴの総て』(1950)と『タイタニック』(1997)が持つ最多ノミネート記録に並ぶもの)を獲得した『ラ・ラ・ランド』が大本命だった。作品賞のプレゼンターはウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイ。ダナウェイが『ラ・ラ・ランド』の名を読み上げた。プロデューサーらがステージに上がり、スピーチをしている最中、受賞式スタッフがステージにあがり、何やら協議中。間違いを伝えられた『ラ・ラ・ランド』のプロデューサー、ジョーダン・ホロウィッツが「間違いがあった。本当の作品賞は『ムーンライト』だ。ジョークではない。発表者が間違ったものを読み上げた」とスピーチし、封筒の中身を見せて証明した。

アカデミー賞 作品賞封筒オスカー像を手渡された『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督は「夢にも思わなかった。何ということだ」と喜びを爆発させたが、"作品賞を間違えて発表"という前代未聞の珍事に会場は騒然とするばかり。司会のジミー・キンメルは「ウォーレン、何てことをしてくれたんだ?」と問い詰めるとウォーレンは「封筒に"『ラ・ラ・ランド』、エマ・ストーン」"と書いてあったんだよ」と述べ、直前に発表された主演女優賞の封筒がなぜかもう一度手渡されてしまったことを告白した。(そんなこと、ありうる?)面白味にかけた授賞式、最後の最後で笑わせてくれたのはさすが世界一のエンタメショウ。(笑)


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2017.02.27 Monday | 20:49 | アカデミー賞の軌跡 | comments(2) | - |

第88回(2015年)アカデミー賞

第88回(2015年)アカデミー賞

第88回(2015年)作品賞「スポットライト 世紀のスクープ」第88回アカデミー賞trivia
〜2年連続、演技賞に黒人候補なしで大ブーイング〜

本年度の司会は第77回(2004年)以来、11年ぶりにクリス・ロックの再登板。実は昨年もエレン・デジェネレスに続いて、2番手候補だったが断っていた。第77回の時、司会に決まったにもかかわらず当日までアカデミー賞の悪口をいいまくりど顰蹙。(今でいう炎上商法?)なのに授賞式当日はすっかりおとなしく、客席にいないスターばかりをいじるというチキンぶり。司会は好評といいがたく、本人は「望まれればいつでも(受賞式の司会に)戻ってくる」とご満悦だったが、映画ファンは誰も彼の復帰など望んでいないはずだった。その後、クリスは米タイム誌などで“The funniest man in America(アメリカで最も面白い男)とまでも称されるほどの活躍ぶり。映画も『マダガスカル』シリーズのマーティの声でおなじみ、2014年には監督・脚本・主演をかねた『トップ・ファイブ』がまずまずの評価を受けて、2度目の登場となった。

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2016.03.01 Tuesday | 02:00 | アカデミー賞の軌跡 | comments(6) | - |

第87回(2014年)アカデミー賞

第87回(2014年) アカデミー賞

第87回(2014年)アカデミー賞作品賞「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」第87回アカデミー賞trivia
〜作品、候補者、プレゼンターまで地味で視聴率急落!〜

 本年度のアカデミー賞授賞式司会はニール・パトリック・ハリス。彼はアメリカで2005年9月から2014年3月まで放送され人気を集めたシットコム『ママと恋に落ちるまで』の主演俳優であり、『ゴーン・ガール』にもヒロインを執拗においかけるストーカーまがいの男役で出演している。トニー賞4度、エミー賞でも2度授賞式の司会をつとめている。また、私生活において2014年9月に俳優デビッド・バートカとイタリアで同性結婚式を挙げたことが話題となった。アカデミー賞でも2010年のオープニングで歌とダンスを披露しており、(Neil Patrick Harris's Opening Number: 2010 Oscars)実績と話題性が買われた形だが、彼はアカデミーのファーストチョイスではなく何と第4希望!エレン・デジェネレス、クリス・ロック、ジュリア・ルイス=ドレイファスに断られたため、彼に声がかかった。前回のエレン、そして今回のハリスともに同性愛者。2年連続で同性愛者がアカデミー賞司会をつとめるのは史上初。ニールは『バードマン〜』のパロディでパンツ一丁でステージに登場するなど、軽妙な司会ぶりを見せたが、結果は平均視聴者数は昨年の4370万人から3660万人と前年比16%の大幅ダウン。過去10年間で3番目に低い数字。作品賞候補5枠を撤廃した第82回(2009年)以降に限れば、最低の数字となった。内容評価について観客は賛否半々ぐらいだったが、メディアは「とにかく長い。緩慢」と、最悪とまではいわれなかったが否定的な評価が大半を占めた。

視聴率の大幅ダウンはノミネート発表の段階で既に危惧されていた。作品賞候補のうち、全米興行収入1億ドルを越えたのは『アメリカン・スナイパー』一本だけ。『アメリカン〜』に受賞の見込みはなく、作品賞は『6才のボクが、大人になるまで。』(全米興行収入2500万)と『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(全米興行収入3700万)という地味な争い。 2作とも受賞発表当時の数字 おまけにノミネート俳優の顔ぶれも地味で、プレゼンターも大物不在、音楽パフォーマンスも今ひとつ、悪い意味で予想通りの結果に終わってしまった。

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2015.02.26 Thursday | 20:05 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

第86回(2013年)アカデミー賞

第86回(2013年)アカデミー賞

第86回(2013年)アカデミー賞作品賞「それでも夜は明ける」第86回アカデミー賞trivia
〜黒人監督作に初の作品賞なんだけど...〜

第86回アカデミー賞授賞式、当初、司会は昨年に引き続きセス・マクファーレンにオファーがいっていた。所詮アカデミーも視聴率さえ取れればいいんですね...。だが、セスは昨年、準備に4カ月かかったことがネックとなり辞退。2013年5月、自身のツイッターでそのことを報告した。その3カ月後、司会者はエレン・デジェネレスと発表された。エレンの司会者は第79回(2006年)に引き続き2回め。女性の再登板はウーピー・ゴールドバーグに続き2人めである。エレンの司会ぶりだが長年、TVショー『エレンの部屋』をつとめており、アカデミー賞だけでなくグラミー賞、エミー賞の司会経験まである彼女は余裕綽々。とくに気負いもなくそつなくこなした。ツイッターなどを駆使し観客を意識したアプローチが評判を呼ぶ一方、「セレブを傷つけるような発言はしない」という自ら公言したことをきちんと守ってしまったためか印象に残る台詞もなくこれではコメディアンが司会をする意味がないとの批判もよせられた。肝心の視聴者数は昨年より6%アップの4300万人。ゴールデングローブ賞の視聴者数は2210万人、グラミー賞1450万人と比較して"アカデミー賞授賞式"注目度の圧倒的高さを見せつける結果になった。

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2014.04.22 Tuesday | 20:08 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

第85回(2012年)アカデミー賞

第85回(2012年)アカデミー賞

第85回(2012年)アカデミー賞「アルゴ」第85回アカデミー賞trivia
〜「アルゴ」監督賞ノミネート漏れで作品賞受賞!〜

毎年、アカデミー賞授賞式の会場となっていた「コダック・シアター」はコダック社の倒産により2012年5月より「ドルビー・シアター(Dolby Theatre)」に変わった。その「ドルビー・シアター(Dolby Theatre)」名ではじめて行われたアカデミー賞授賞式。毎年話題となる視聴者数は前年比19%増の4030万人。だが、これは事前に予想できたことだった。作品賞ノミネート9作品のうち6作品が興行収入1億ドルを突破、ヒット映画が多くノミネートされていたからだ。人気映画をとりこむため、作品賞ノミネート数5枠固定をとっぱらった試みがはじめて成功した。また、人気アニメ「ファミリー・ガイ」のクリエイターで、「テッド」の監督、脚本で知られるセス・マクファーレンの司会が若者層の関心を引きよせたことを指摘する人も多くいた。だが、視聴者数がアップしたからといって授賞式の評判がよかった、というわけではなかった。セス・マクファーレンの性差別、宗教差別、人種差別にからめた"ジョーク"は賛否両論となり、視聴者や人権団体からも抗議が殺到した。The New Yorker誌は「攻撃的で醜悪、男尊女卑の授賞式」と酷評する有様だった。

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2013.04.23 Tuesday | 00:56 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

第84回(2011年)アカデミー賞

第84回(2011年)アカデミー賞

第84回アカデミー作品賞「アーティスト」第84回アカデミー賞trivia
〜フランス映画初の作品賞!ビリー・クリスタル司会復帰〜

昨年、第83回(2010年)のアカデミー賞授賞式は視聴率が大幅に落ち込み、内容も最悪と評された。精彩を欠く候補や演出など他にも原因は多々あったのだが、なぜか批判は司会のアン・ハサウェイとジェームズ・フランコの若手2人に集中した。そのため今年の授賞式司会は誰になるのかが早くから注目されていた。2011年7月、司会はオプラ・ウィンフリーが有力であるという報道がなされた。オプラは最近、長年続いていた人気トークショーを終了したばかり。第58回(1985年)「カラーパープル」で助演女優賞候補になったこともあり、アカデミー賞授賞式にはよく出席している。だが、この報道についてアカデミー賞事務局は「単なる憶測」と回答しただけだった。その後、アカデミーはオプラにジーン・ハーショルト友愛賞に贈ることを発表。オプラの芽は消えた。

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2012.04.08 Sunday | 20:58 | アカデミー賞の軌跡 | comments(2) | - |

第83回(2010年)アカデミー賞

第83回(2010年)アカデミー賞

83回アカデミー賞作品賞「英国王のスピーチ」第83回アカデミー賞trivia〜サプライズなし、視聴率大幅ダウン、授賞式は酷評〜

2010年のアカデミー賞授賞式司会に、アン・ハサウェイジェームズ・フランコという若手俳優2人の起用が発表されたとき、ちょっとしたどよめきが起こった。アカデミー賞授賞式は、世界中で放送されるエンタメ業界屈指のビッグイベントゆえ、司会は百戦錬磨のコメディ俳優やTV司会者、というのが定番だったからだ。報道によると彼等は第一候補ではなく、ヒュー・ジャックマン、ウィル・スミス、ロバート・ダウニー.Jrなどそうそうたるメンツが断ったため、彼らにオハチがまわってきたという。若手視聴者を獲得するための人選だが、司会経験のない、若手のアン・ハサウェイとジェームズ・フランコにビッグイベントの司会が務まるのかという不安の声も多々聞かれた。アン・ハサウェイは「私たちは誰かをいじるユーモアがないし、それができる立場にもない」、フランコは「司会が本業じゃない僕たちに、周りはそんなに多くを望んでいないはず」と語っていたが...世間はそう甘くはなかった。

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2011.12.25 Sunday | 01:05 | アカデミー賞の軌跡 | comments(4) | - |

第82回(2009年)アカデミー賞

第82回(2009年)アカデミー賞

82回アカデミー賞作品賞「ハート・ロッカー」第82回アカデミー賞trivia
〜作品賞枠が10に拡大!〜

★ 2009年6月24日、アカデミー協会のシド・ギャニス会長は2009年度のアカデミー賞作品賞ノミネート数をこれまでの5作品から10作品に拡大すると発表した。

表向きの理由は"幅広いジャンルの作品に作品賞のチャンスを与えるため"。だが実態は"アカデミー賞授賞式TV中継の視聴率アップを図るため"であった。昨今、アカデミー賞の結果は限りなく批評家賞のソレに等しくなっていた。そのため誰も観ていない作品ばかりノミネートされている、という批判を浴びていた。作品賞ノミネート枠を10に拡大することで、5枠ではノミネートされにくい人気映画をとりこみ、視聴者の関心をひこうという試みである。その結果、全10作中、興行収入2億ドル超の作品が3つ(「アバター」、「カールじいさんの空飛ぶ家」、「しあわせの隠れ場所」)1億ドル超が2つ(「イングロリアス・バスターズ」、「第9地区」)の合計5作のヒット作がノミネート。授賞式の米国のテレビ視聴者数は前年比500万人増の4130万人。過去5年で最高を記録し、とりあえず試みは成功したといえる。だが、この"過去5年で最高"という奇妙な報道をされているところがミソ。ちなみに『タイタニック』が作品賞を受賞した第70回(1997年)は過去最高の5725万人(推定)である。2009年度の成功は歴代興行記録を塗り替えた『アバター』と人気女優サンドラ・ブロックの存在に助けられた要素が強く"作品賞10枠拡大"の真価は来年度以降問われることになる。

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2010.04.09 Friday | 01:22 | アカデミー賞の軌跡 | comments(6) | - |

第81回(2008年)アカデミー賞

第81回(2008年)アカデミー賞

81回アカデミー賞作品賞「スラムドッグ$ミリオネア」第81回アカデミー賞trivia
〜ヒース・レジャー史上2人目の故人受賞!〜

★ 昨年、史上最低の視聴率だったことを受け、アカデミー事務局はテコいれに必死だった。まず、プロデューサーを『ドリームガールズ』の製作・監督コンビ、ローレンス・マークビル・コンドンに変更した。司会者の人選にも頭を悩ませたようで、経験者であるビリー・クリスタル、ウーピー・ゴールドバーグの他スティーヴ・カレル、ジョージ・クルーニー、ウィル・フェレル、ジャスティン・ティンバーレイクらの名前が噂されたが、発表された司会者は下馬評になかった?俳優ヒュー・ジャックマン。セクシー俳優としての好感度とトニー賞の司会を3度つとめた実績が買われたと思われる。トークは最小限に抑えられ、ミュージカルナンバーを存分に盛り込んたステージとなった。また演技賞の発表では過去の受賞経験者が5人登場し、それぞれの候補者を紹介するという新趣向も取り入れられた。反応はどっちつかずで、ワシントン・ポスト紙は、ジャックマンを「多才でエネルギッシュ」と称賛する一方、歌と踊りによるオープニングを「無意味で薄っぺらい」と酷評した。肝心の視聴者数は昨年を約13%上回る3630万人。過去3番目に低い数字であり、アカデミー賞の人気回復とまでは言えない結果だった。

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